バトルガレッガ
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ジャンル | シューティング |
対応機種 | アーケード[AC] セガサターン[SS] |
開発元 | ライジング |
発売元 | AC:エイティング AC:Tuning(欧州版) AC:Fabtek(北米版) AC:Metrotainment(香港版) SS:エレクトロニック・アーツ・スクウェア |
人数 | 1~2人 |
メディア | AC:業務用基板 SS:CD-ROM |
発売日 | AC:1996年2月 SS:1998年2月26日 |
価格 | SS:5,800円(税抜) |
『バトルガレッガ』(Battle Garegga)は、1996年2月にライジングから発売されたアーケードゲーム。ジャンルは縦スクロールシューティングゲーム。全7ステージ。
ガンフロンティアを踏襲した硬派なグラフィックと、並木学(通称:さんたるる)によるテクノサウンドが特徴。
目次 |
[編集] 概要
操作系は8方向レバーと3ボタン(ショット、スペシャルウェポン、オプションフォーメーション変更)。
スペシャルウェポンはガンフロンティアと同様の方式。発射時には完全ストック状態の一つが消費され、完全状態でなければ半端ストック在庫の全てを使いきる。その量に見合った効果が得られるというもの。
[編集] 多彩な自機選択
自機は4種類+隠し機体4種類からの選択式。 隠し機体は魔法大作戦の自機4種(隠しコマンド入力が必要)。 さらに、決定時にどのボタンを押すかによって機体性能が変更される(ノーマル、あたり判定縮小・移動スピードアップ・あたり判定縮小かつスピードアップ、の4種)。
これらの自機は同社作品のアームドポリス バトライダーでも隠しキャラとして登場している。
[編集] 作品の主な評価
このゲームは、出回り始めとその後では大きく評価が異なる。全体的に当初は評価は高くなく、時が経過するにつれて評価を少しずつ上げていった作品と言える。
当時のゲームの多くが、美麗なグラフィックと美しいサウンドに彩られており、レイストームなど3Dグラフィックによる派手な演出も備えたシューティングが登場していた。その影響もあって、一昔前のゲーム基板で発表されたバトルガレッガは、存在感が薄かった。またゲーム内容でも、敵弾が背景と同系色である、などの要因により、視認が困難だった。これはシューティングゲームとして致命的な欠陥と言われていた。
しかし、下記の難度制御によるシステム、そして史上初めて実装された「ランキングされたスコアまでカウントされるスコア表示」などが、スコアを争う楽しみ方をするプレイヤー達に評価された。そして、各機機体ごとの熾烈なスコア稼ぎが各地で加熱した。スコアの稼ぎ方も、「難度制御と自爆」に大きく依存する為に奥が深く、その点が改めて再評価され、高品質なゲームとして認識されていく事になる。現在(2004年現在,DVD)でもトップクラスのプレイヤーが記録更新を続けている。
それ以外でも暗色が多く地味だが緻密なドット画描写による書き込まれたグラフィック、そのグラフィックと世界観にマッチしたサウンドなども評価されるようになった。
なお、前述の弾丸の見づらさは、後の家庭用移植版では、オプションにREDBALLという設定項目があり、改善されている。
[編集] 難度制御と自爆
発売当初はステージ6~7があまりの高難度のため、「クリア不可能か」と噂された。しかし後に、難度がゲーム中の様々な要素によって上下する事が発見され、難度を意図的に調節するプレイスタイルが広まった(シューティング界隈ではランク調節と呼ばれる攻略スタイル)。
難度に影響を与える要素は、自機のパワーアップ状態、残機数、発射済み弾数、ノーミスプレイの時間・電源投入からの経過時間などであると推測されている(正確なデータは公表されていない)。その他様々な要素も影響があるという憶測が飛び交い、オカルト的な迷信も多くあった。 この内、自機のパワーアップ状態、残機数、そして発射済み弾数が影響を与えることはほぼ間違いないとされ、知識のあるプレイヤーは無駄弾を撃たない、無駄なパワーアップをしないよう注意してプレイする。そのため店側も可変速連射装置を取り付ける、ボタン配置を調整可能にする、ABC同時押しボタンを用意するなどの配慮をしている場所も存在する。
難度に最も大きな影響を及ぼしているのが残機数であるとされ、ALLクリアを狙うプレイヤーには稼いで、エクステンドしたら要所で自爆するという攻略法が基本スタイルとして定着した。ちなみにミス時の自機の爆発には攻撃力があるため、適当な所で自爆してしまうと難度を下げるためのエクステンドが遠くなってしまう。そのために要所で自爆することが必要であり、その前提となるのは要所でエクステンドできる段階まで上達していることである。
また、稼ぐには敵機を攻撃するだけでなく、取り続けることで最大10000点を連続で獲得できる勲章アイテム、ボンバーで破壊することで高得点を得られる箇所、2面のある地点でウェポンを使うと出現する鳥の群れや背景をウェポンで破壊することで勲章が出現するなどの隠し要素も利用する。
ALLクリアを目指して安定して稼ぐためには、自爆スタイルができなくとも4~6面に到達できる程度に当ゲームに熟達していることが必要である。よほどのゲーマーでない限り、当ゲームをはじめたばかりの腕前で全ての稼ぎを狙うことは成功率が著しく低く、非効率である。どの稼ぎをどの腕前で狙うかはプレイヤーごとに異なることもあり、あまりガイドラインとして周知されてはいず、これが当ゲームの敷居の高さの一つとなっている。
過去にもプレイ中に難度が変動するゲームは多くあったが、このゲームはその影響が顕著であり、スコアラーならずとも6~7面を越えるためには難度を意識してプレイする必要があった。不可視要素がゲーム全容の把握を困難にしたものの、ゲーム全体をコントロールする独特のゲーム性があったためその高難度にも関わらずプレイヤー層が広くロングランを遂げたとされる。
得点、残機、弾数、パワーアップにおいて高度なリソースコントロールを要求するシューティングゲームとしてその後のゲーム難度についての話題では必ずと言って良いほど言及されることになる。
バトルガレッガが傑作と呼ばれるのは表面的な要素ではなく、こうした設計によるゲーム性に対する評価と見る事ができる。
[編集] ブラックハート
幾多のシューターを苦戦させた5面ボス「G-616 ブラックハート」は、当時のシューティングゲームとしては圧倒的な高火力と致命性を持ち、切れ目無く弾を連射しながら発射角度を左右にずらしていく通称ワインダーとロケットエンジンからのバーナー攻撃が特徴的でバトルガレッガを象徴する存在とされた。このワインダーに合わせて小刻みに動いて避ける緊張感はその後の多くのゲームで模倣されることになる。
また7面には「N-617 ブラックハートmkII」が中ボスとして登場する。さらに強化されたワインダーを筆頭に矢継ぎ早に繰り出される変幻自在な攻撃から「ラスボスより強い」、「銀河一後方に強い戦闘機」などと呼ばれる。
難度制御を誤ったプレイを行なっていると投下される無数の爆雷の耐久力が上昇しすぎて破壊不能になると言われている。
1997年3月に登場した怒首領蜂の最終ボスである火蜂ともども弾幕系シューティングのカリスマボスと呼ばれている。
なんでもかんでもカリスマ化しようとする動きがあったものの、この2キャラクターを上回るインパクトを与えるボスキャラクターは現れていない。
単純な弾数や強さではなく、弾幕系シューティング黎明期という時代背景的な要素からカリスマを獲得したと見るのが自然だろう。
主人公であるウェイン兄弟のメモを基に連邦軍が作った拠点防衛戦闘機という設定だが、厳密に言えば戦闘機に分類されるものとは言い難い。
[編集] 設定
[編集] ウェイン兄弟
このゲームの主人公で、航空機に関しては天才的な才能を持つ科学者兄弟。彼らが設計及び開発した機体やエンジンは高い性能を誇っている。その技術力は神の領域に達しており、(実用性の高い)ロケットエンジンまで設計している。後にその才能を買われ連邦国家に開発主任として異例の待遇でスカウトされる。
[編集] 連邦国家
15州から形勢された国家で大陸の約半分を有している。以前は領土の巡る争いが激しかったが連邦が設立されたのを機に 秩序と平和が保たれるようになる。しかしウェイン兄弟の設計思想を元に開発された優れた兵器群は連邦以外の周辺国家 の兵器群を出し抜いたものであり、その結果連邦国家は大陸全土を掌握する為に他国に侵攻を開始した。
圧倒的な物量と優れた兵器群に蹂躙された、ある地方の瓦礫と化した場所にたたずむウェイン兄弟は自分達が携わった行いに後悔し、罪を償い責任を果たすために4機の新型戦闘機を作り出し連邦国家の侵攻を止めるべく出撃した。
隠しキャラとして登場する魔法大作戦の4人に対しての今作品での参戦するストーリーなどの設定はない。
[編集] 番外・関連
同社作品のアームドポリスバトライダーでも、本作のキャラが隠しキャラとして登場している。
高度な攻略を行なったDVDが数種類発売されている。
[編集] 移植
1998年2月にセガサターンに移植。発売はエレクトロニック・アーツ・スクウェア。
家庭用向けに豊富なモード、設定が搭載されている。特に画面設定は秀逸である。業務用本来の表示をテレビで再現するために「解像度を変えずに上下幅を縮小」でも「ゲーム画面全体を縮小させて縦画面を表示させる」でもなく、「自機の上下移動に合わせて、縦方向に任意スクロールも併用する」という仕組みで、解像度を変えないまま縦画面でプレイ出来るようになっている。もちろん、従来から使われている画面設定も搭載している(横画面表示など)。
また、ゲームをクリアすると追加されるオマケ要素としてALLプレイムービーがある。最初から最終ステージクリアまでのプレイ動画が入っており、内容的にも「難度制御と自爆」に依存した稼ぎ重視の攻略をしており、特に初心者(とはいっても、何とかクリアまではしないと見られないのだが…)などには、このゲームの本質を垣間見る事が出来る。また、隠しフィーチャーも全て公開しているので、稼ぎを始める人にとっても重要な参考資料となる。
サウンドもオリジナルの他にアレンジ版が追加されている。肝心の移植度も、ステージ開始時に若干の読み込みがあるが、それ以外はほぼ完全移植である。他ゲームの進行によって様々なオマケ要素が使えるようになっている。