バンド・オブ・ブラザース
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バンド・オブ・ブラザース(Band of Brothers)は、第二次世界大戦における米国陸軍第101空挺師団第506パラシュート歩兵連隊第2大隊E中隊(通称:イージー・カンパニー)の訓練から対ドイツ軍戦勝利・終戦までを描いたスティーヴン・アンブローズのノンフィクション作品およびそれを基にしたテレビドラマ。
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[編集] 作品概要
登場する人物名は全て実在する人物名で描かれている。スティーヴン・スピルバーグとトム・ハンクスによってBBC/HBOのテレビドラマシリーズとして制作された。 話によって主人公が変わる作品であるが、総合的な主人公として登場したのがE中隊隊長リチャード・ウィンターズである(ダミアン・ルイスが演じた)。オープニングとエンディングには役者が演じていた実在の人物ら(E中隊隊長リチャード・ウィンターズ氏など)による戦争当時を振り返えるインタビューが入っており(必ずしも全話当てはまらない場合がある)、さらに実在の人物らによる演出も行われている。1話、約1時間10分ほど。
[編集] エピソード
- 『翼のために』 - Currahee
- 『ノルマンディ降下作戦』 - Day of Days
- 『カランタン攻略』 - Carentan
- 『補充兵』 - Replacements
- 『岐路』 - Crossroads
- 『衛生兵』 - Bastogne
- 『雪原の死闘』 - The Breaking Point
- 『捕虜を捉えろ』 - The Last Patrol
- 『なぜ戦うのか』 - Why We Fight
- 『戦いの後で』 - Points
[編集] キャスト
- ダミアン・ルイス(リチャード・ウィンターズ中尉) 声:役所広司
- ロン・リビングストン(ルイス・ニクソン少尉) 声:山寺宏一
- ドニー・ウォルバーグ(カーウッド・リプトン少尉) 声:山野井仁
- フランク・ジョン・ヒューズ(ウィリアム・ガルニア軍曹) 声:檀臣幸
- スコット・グライムズ(ドナルド・マラーキー軍曹) 声:樫井笙人
- ニール・マクドノー(リン・コンプトン中尉) 声:青山穣
- マシュー・セトル(ロナルド・スピアーズ中尉) 声:家中宏
- マイケル・ガドリッツ(ブル・ランドルマン軍曹) 声:遠藤純一
- ジェームズ・マディオ(フランク・ペルコンテ一等兵) 声:田尻ひろゆき
- リック・ゴメス(ジョージ・ラズ伍長) 声:小森創介
- ロス・マッコール(ジョセフ・リーブゴット二等兵) 声:後藤敦
- イーオン・ベイリー(デビッド・ケニヨン・ウェブスター二等兵) 声:堀川仁
- カーク・アセベド(ジョセフ・トイ二等兵) 声:咲野俊介
- ピーター・マッケイブ(ドナルド・フーブラ二等兵) 声:真殿光昭
- マシュー・リーチ(フロイド・タルバード二等兵) 声:鈴木正和
- マーク・ウォレン(アルバート・ブライス二等兵) 声:中村俊介
- シェーン・テイラー(ユージーン・ロウ衛生兵) 声:内田夕夜
- アンドリュー・スコット(ジョン・ホール二等兵) 声:猪野学
- デビット・シュワイマー(ハーバート・ソベル大尉) 声:牛山茂
- デイル・ダイ(ロバート・シンク大佐) 声:内田夕夜
[編集] その他
各話ごとに監督が替わっており、第5話では、トム・ハンクス自らメガホンを取っていて、第8話には自身の息子であるコリン・ハンクスも出演している。
製作費1億2000万ドル、制作時間1年半もの時間と費用を費やされ、出演している主役クラスの役者には実際の軍隊と同じ過酷な訓練に1日16時間×2週間参加させた。アクション映画や戦争映画等では役作りのためトレーニングをすることが多いが、本作はデイル・ダイが関わっていることもあり(彼はプライベート・ライアンでも同等の訓練を課している)、相当なきつい訓練だったそうである。特典映像によれば、あまりの過酷さに泣き出す役者もいたと、語られている。
第3話でアルバート・ブライス二等兵が首を負傷し、その傷が元で1948年になくなったとされているが、実は隊員達の記憶違いだったようで、負傷したのは右肩、ブライスが亡くなったのは1967年であり、彼は朝鮮戦争にも参加していた。ブライスの遺族による指摘で判明した。
原作と異なるエピソードなども盛り込まれているため、完全なノンフィクションとは言いがたいが、当時の空挺隊員の戦いを描くものとしては史上空前のものになる。
[編集] 受賞歴
第54回エミー賞に19分野でノミネートされ、作品賞、監督賞ほか6分野で受賞した。
2001年度ゴールデングローブ賞最優秀作品賞(TVドラマ&ミニシリーズ部門)受賞。