バーコードファイター
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『バーコードファイター(BARCODE FIGHTER)』は、小野敏洋が『コロコロコミック』(小学館)で1992年4月号~1994年7月号まで連載していた漫画で、1991年にエポック社から発売されたバーコードバトラーおよびバーコードバトラーII、バーコードバトラーII2(ダブル)C0、C2をモチーフにした作品。
目次 |
[編集] 概要
玩具とのメディアミックス作品として連載を開始し、同時期の看板タイトルとして好評を博した。
ストーリーは大きく分けて「前編」「全国バトル選手権編」「武装恐竜軍団(ダイナアームズ)編」「桜を救え!編」の4つに分類できる。全30話。
伏線を残したままの連載終了だったため、その理由については「性的描写が多かったためにPTAからの苦情が殺到した」「商品(バーコードバトラー)とのストーリーの関連が薄くなり、エポックや編集部から圧力がかかった」などさまざまな憶測が流れた。 その後長らく絶版となっていたが、2004年12月15日に復刊ドットコム(fukkan.com)の有志らによって上下巻本として復刊され、あとがきに代えたマンガに於いて「抗議や苦情が原因ではなく単に人気の低迷により終了した」と作者の小野敏洋自身が語っている。
連載当時のコロコロコミックには付録としてバーコードバトラーで使用できる同作品のカードが付くこともあった。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] あらすじ
≪前編≫ 四鷹市にあるアミューズメントゾーン”ドラゴン”に、最新鋭の超大型体感ゲーム施設”ゲームドーム(GD)”がオープンし、バーコードをマシンに入力して戦う新感覚ゲーム”バーコードファイター”が大人気となっていた。 ゲームドームの特徴はVRシステムとドーム天井を覆う巨大モニターにある。 プレイヤーは”シミュレーター”と呼ばれる筐体に乗り込み、HMDを装着してゲームを進める。 観客はドームの天井一面を使った巨大なディスプレイで観戦することが出来るようになっている。
主人公”虎堂烈”は、幼馴染の”有栖川桜”に勧められてプレイするも一撃で敗退してしまう。 しかし対戦相手の”掛須巧”に挑発され一念発起、リベンジを果たす。
”御沙吾真”、”清白彩”など様々なライバルに出会いながら次第に強くなっていく烈の前に、”バーコード皇帝(エンペラー)・ニーズホッグ”なる者が現れる。 エンペラーはGDのネットワークに侵入して全店を支配し、より強いバーコードを求めて勝負を挑んでくる。
エンペラーと因縁があるという清白の兄”バーコードマスター・竜胆岳”と共に対エンペラー用の特訓にやってきた烈たち一行は、大阪店のチャンピオン”阿鳥改”と出会う。 桜に一目惚れする阿鳥だったが、一緒に入ることになった温泉施設で桜が実は男性である事が判明してしまう。 ショックから桜を「オカマ」と罵る阿鳥に対し、烈は桜の名誉のためにバーコード勝負を挑む。
≪全国バトル選手権編≫ 第1回バーコードファイター全国バトル選手権が開催され、順調に勝ち進む烈たちだが、決勝戦の場は大会に忍び込んだバーコード皇帝の罠が待ち構えていた。 エンペラーの刺客を倒した烈は竜胆の強い勧めもあり、エンペラーをも倒すため皇帝領域への招待を受ける。 最初は威勢の良かった烈だが、次第にエンペラーに洗脳され始めてしまう。 ただ強いバーコードだけを集めているかに見えたエンペラーだが、真の狙いは烈自身をバーコード化してしまう事にあった。 人間のバーコード化とは一体何なのか、そしてそんなことが可能なエンペラーとは一体何者なのか。
≪武装恐竜軍団(ダイナアームズ)編≫ 四鷹店の周囲で名のあるバーコード戦士が、「恐竜のバーコード」を持つ謎のバーコード戦士に勝負を挑まれるという辻斬りが頻発。倒されたバーコードは恐竜に変えられて奪い取られ、どのマシンでも一切認識されないという不可解な現象が起こった。 犯人は”樹雷3兄弟”。”草鴫令法”という謎多い男に脅されての犯行だった。 草鴫は樹雷たちの集めたバーコードで行った実験を元に、バーコード皇帝を復活させることができる「エンペラーコード」の生成に成功する。
≪桜を救え!編≫ HMDや高性能センサーを使用した家庭用の本格的VRゲーム機「バイブルII」を購入した桜は、開発中止になったはずのソフトのテストロム「ホーリー・マウンテン」を手に入れる。 そのソフトには、基本設定をスムーズに頭に叩き込み、脳に擬似記憶を刷り込むことでリアルなゲーム体感、感情移入を実現することを目的としてバイオバーコードが使用されていた。ゲーム世界の「お姫様」になりきった桜は、ゲーム世界から戻ることが出来なくなってしまった。 昏睡状態の桜を救うため、烈たちはGDを一晩借り切ってゲーム世界へ入り、桜の救出に向かう。
[編集] 登場人物
[編集] メインキャラクター
- 虎堂 烈 (こどう れつ)
- 11歳。熱しやすく冷めやすい小学生。桜に誘われてバーコードファイターとなる。ライバルには雪辱戦で勝利を収めることが多い。ゲームはあまり得意ではなかったようだが、バーコードバトルではビートルの性能も相まって、当初のドームチャンピオンであった掛須と互角な戦いを繰り広げた。清白に敗れて特訓して以降は、コマンド入力の素早さと正確さが高まり、バーコードの性能と相性のみに頼ることはなくなった。
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- ダッシュビートル
- カブトムシがモチーフの機体。小さ目の機体に高い守備力を誇る。「剣豪ビートル」「ダッシュビートル後期型」「ダッシュビートル最後期型」「ダッシュビートルIバトラーII仕様」
- ダッシュビートルII
- GDのバージョンアップに伴い機体を新装。基本は”戦士”だが追加バーコードによるバリエーションが豊富。「ビートルアクテオン(魔法使い)」「ビートルギデオン(魔法使い)」「ダッシュビートルII A-3装備(水中仕様)」「ビートルネプチューン(水中仕様)」「ハイパービートル(アンディーンとの融合)」「ビートルヘルクレス(9倍力)」「ダッシュビートルII A-5装備(重火器装備)」「ビートルケンタウルス(スピード強化)」「カイザービートル(スタッグビートルとの合体)」
- ダッシュビートルIIタイプD ビートルアトラス
- GDのバージョンアップに伴い機体を”聖戦士”へと新装。後に「ビートルアトラス バージョン2」へ改装。必殺技は「ファルネーゼ・アポカリプス」。
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- 有栖川 桜 (ありすがわ さくら)
- 烈の幼馴染でヒロイン的存在。明太子が苦手な11歳。猪突猛進な烈の性格を律し、正しい方向へ導く。第11話で男であることが明かされる。身体は男だが、精神は完全に女性であり、現在に当てはめれば性同一性障害であるとみられる。
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- アンディーン/ラ・シルフィード/シルフィード・セラフ
- GDでは珍しい人型の機体。2体は同じ機体をベースにした水中仕様/陸戦仕様。ちなみに、持ち主と同様実は男。
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- 掛須 巧 (かけす たくみ)
- 烈が現れるまでの四鷹店チャンプ。小学生だが家庭の財力に任せて機体を量産している。桜の秘密を知らず、好意を寄せている。「生意気だがバカな分救いがある」らしい。
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- カケス1号~31号
- 実際に名前が判明している機体は「1号」「17号」「28号」「31号」のみ。
- KT-1
- GDのバージョンアップに伴い機体を新装。後に「SKT-1」へ新装した。
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- スティーブ・セコイア
- 各地のバーコードチャンプを倒すさすらいのアメリカ人。烈に敗れた後は、烈を「おやびん」と慕う。「すちーぶ」の愛称が完全に定着し、ちゃんとした名前で呼ぶ者が親以外にはいなくなった。母親とは一軒家住まいで、家には正月にこいのぼりを飾っていた。
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- キャプテンU・S・A
- 基本機体「ピルグリム」とサポートロボ「メイフラワー」を合体させた機体。後に単体の機体「USA・ザ・グレート」に新装。
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- 清白 彩 (すずしろ あや)
- ボーイッシュで性格も男勝りな少女。自分のことを「おいら」と呼ぶ。チャンピオンである烈に挑戦を申し込んだ。優れた機動性と正確なシミュレータ操作で格闘戦を得意とする。
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- リングスター
- 銃や剣などアイテムを持たず、格闘のみで戦う。
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- 竜胆 岳 (りんどう がく)
- 清白の実兄。バーコードを見ただけでその能力を判断することができ、バーコードマスターと呼ばれる。ある目的のため、清白を使って烈を試していた。
- 阿鳥 改 (あとり かい)
- 大阪店チャンプの小学生。温泉街で桜に一目惚れするが、桜が男だと知ってショックを受け、その後も自身の感情と現実との間で葛藤を続ける。
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- スタッグビートル
- クワガタムシがモチーフの機体。GDのバージョンアップに伴い”聖戦士”型へ改装した。
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[編集] サブキャラクター
- 権田原 夏樹 (ごんだわら なつき)
- 21歳の大学生でゲームドーム四鷹店アルバイト。初期は「ゲームドームのおねーさん」としか呼ばれておらず、後に「なつきねーちゃん」、全国大会の進行役を務める際に本名を暴露した。小野敏洋の漫画に度々出演している。竜胆岳に好意を寄せる。
- 薬師寺 蘇鉄 (やくしじ そてつ)
- 仏像マニアの中学生。GDを仲間3人で占拠、ゲームを独占したが、バトルで烈に敗れる。常に無表情で、口を全く動かさない。
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- ヤプラバラージャ/瑠璃光キング
- 魔法使いタイプ。「瑠璃光キング」他のロボットとの合体機だったが、後半は単体として「ヤプラバラージャ」と並行使用。
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- 御沙吾 真 (みさご しん)
- GD筒井ヶ浜店の中学生チャンプ。桜を賭けて勝負を行い烈を追い詰めるが、桜の操るキャラと合体した烈に惜敗する。後に桜の性別が明るみに出て、後悔するハメに。
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- フィッシャーキング
- 海岸にあるGDらしく水中戦専用の機体。バリエーションには「スーパーフィッシャーキング」「フィッシャーキング陸戦仕様」がある。
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- 樹雷三兄弟 (じゅらい さんきょうだい)
- 末妹・翼(つばさ)、次男・渓(けい)、長男・竜牙(りゅうが)。GD吉祥寺店の有名ファイターだが、草鴫に脅迫されて烈たちを襲う。
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- 武装恐竜軍団(ダイナアームス)
- 翼の「メカ-ケツァルス(翼竜)」、竜牙の「メカ-ティラノス(ティラノサウルス)」、渓の「メカ-プレシオス(首長竜)」が主機体。敵機体を恐竜の姿に変えて味方化してしまう「ダイナエボリューション」を使う。
- また、バイオバーコード暴走時の竜牙は周りを吸収して出来た機体「メカ-ディノケイルス」、に搭乗する。
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- 草鴫 令法 (くさしぎ りょうぶ)
- 経歴不明。高密度な特殊バーコードを使った謎の計画を企む。
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