バール (工具)
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バール (crowbar) とは梃子(てこ)の原理を利用する鉄製の棒で建設用具(工具)の鉄挺(かなてこ)の英名。
片手で取り扱える重量と長さの小型のものは釘を抜く作業用工具として用いられることが多く、釘抜きと同義。
一般に長さが10cm内外から30cm程度までの短い釘抜き専用の小型バールを「釘抜き」と呼び、梃子を目的として利用する工具をバールと呼び区別する。
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[編集] 形状
基本的に両端部の先端は狭い場所に挿し込むために扁平な形状をしており、一端のみが狭い空間で梃子の原理を利用しやすいように90度に曲がっているものが多い。
扁平な先端は釘の頭が引っかかるように切込みがあり、釘抜きとして利用されることが多い。片手で取り扱える小型のものに比べて重量のある長尺のバールを釘抜きと呼ぶことは稀で時に大バールと呼んで区別する。大バールは梃子専用の工具として90度に曲がっていないものがある。
[編集] 概要
金槌や金槌よりも衝撃荷重の大きいハンマーが一方向の打撃専用工具であるのに対して小型バールは打撃・引っ張り・釘抜き・こじ開ける・釘止めした木材を解体するなど複数用途で利用できる利点があり、木造建物等の小規模な解体では建設重機の届かない狭い場所であっても人力により取り扱える利便性がある。
長さ1m程度よりも大型のものは釘を抜く作業には適しておらず、主に梃子の原理を利用して重量物の移動や固着した物体同士の剥離・乖離などに用いられることが多い。
[編集] 法令
特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律と、特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律施行令により、次の要件を満たすバールは、指定侵入工具とみなされ、業務その他正当な理由による場合を除いて携帯が禁止される。
- 作用する部分のいずれかの幅が二センチメートル以上であること。
- 長さが二十四センチメートル以上であること。