パトロクロス (小惑星)
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発見 A | |
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発見者 | アウグスト・コップ |
発見日 | 1906年10月17日 |
仮符号 | 1906 VY; 1941 XC; 1962 NB B |
分類 | トロヤ群 |
軌道要素C 元期 2006年3月6日(JD 2453800.5) |
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離心率(e) | 0.1308 |
軌道長半径(a) | 5.227AU |
近日点(q) | 4.505AU |
遠日点(Q) | 5.949AU |
公転周期(P) | 11.951年 |
平均軌道速度 | ? km/s |
軌道傾斜角(i) | 22.034度(deg) |
昇交点黄経(Ω) | 44.362度(deg) |
近日点引数(ω) | 44.37度(deg) |
平均近点角(M) | 149.94度(deg) |
物理的性質 | |
直径 | 122 km |
質量 | 1.36 ×1018 kg |
密度 | 0.8 g/cm3 |
表面重力 | ?m/s2 |
脱出速度 | ? km/s |
自転周期 | >4.283時間 |
スペクトル分類 | P |
絶対等級(H) | 8.19 |
アルベド | 0.047 |
平均表面温度 | 110 K |
衛星 | |
メノイティオス | 112Km |
パトロクロス(617 Patroclus)はトロヤ群に属する小惑星で、衛星を持つことで知られる。
1906年にドイツの天文学者アウグスト・コップにより発見され、ギリシャ神話の英雄パトロクロスにちなみ命名された。
目次 |
[編集] 軌道
パトロクロスは木星の軌道に対してラグランジュ点のL5に位置し、『トロヤ群のトロヤ群』(Trojan asteroids (Trojan camp)に分類される。
本来、由来となったパトロクロスはギリシャ軍の一員なのでおかしいはずだが、これはトロヤ群/ギリシャ群の区別がつけられる前にパトロクロスが発見・命名されたことによる。同様の例としては、(624)ヘクトルがある(こちらはパトロクロスと逆である)。
[編集] 衛星の発見
2001年、地上からの観測によりパトロクロスにはほぼ同じ大きさの衛星が存在することが判明し、仮符号S/2001 (617) 1が付けられた。2006年2月にはケック天文台で補償光学によりパトロクロスとその衛星は680±20kmの距離を4.283±0.004日かけて互いに周回していることが判明した。
パトロクロスおよび衛星の大きさについては、2000年11月の観測によりそれぞれ122kmおよび112kmであることがわかった。
現在、衛星にはパトロクロスの父メノイティオスの名をとり、メノイティオスと命名されている。
[編集] 組成について
衛星の公転周期などから、パトロクロスと衛星の密度は 0.8g/cm3であることが判明した。このことから、パトロクロスは元は彗星で、木星の重力に捉えられた結果、今の軌道になったと考えられている。