密度
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密度(みつど、Density)はある量(物理量など)が、空間(3 次元)あるいは面上(2 次元)、線上(1 次元)に分布していたとして、これら空間、面、線の微小部分上に存在する当該量と、それぞれ対応する体積、面積、長さに対する比のことを(それぞれ、体積密度、面密度、線密度と言う)言う。微小部分は通常、単位体積、単位面積、単位長さ当たりに相当する場合が多い。 勿論、4 次元以上の仮想的な場合でも、この関係は成立し、密度を定義することができる。
一般的に密度と言えば、単位体積あたりの質量のことである。
その他の密度としては、状態密度、電荷密度、磁束密度、電流密度、数密度など様々な量(物理量)に対応する密度が存在する(或いは定義できる)。物理量以外でも人口密度や確率密度などの値が様々なところで用いられている。
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[編集] 単位体積あたりの質量密度
[編集] 密度の単位
単位体積あたりの質量としての密度は国際単位系 (SI) では キログラム毎立方メートル(kg/m3)を単位として使用する。他にも g/cm3 = kg/L などがある。
- 1 kg/m3 = 1000 g/1000000 cm3 = 0.001kg/L
[編集] いろいろな物の密度
(単位: g/cm3 = 103kg/m3)
- 金 - 19.3
- ウラン - 18.7
- 鉛 - 11.3
- 銅 - 8.92
- 鉄 - 7.86
- アルミニウム - 2.70
- マグネシウム - 1.75
- 水 - 1.00
- 空気 - 0.0012
- 氷-0.917
- ガラス-2.4
現在の理論では、最も密度が高いのは中性子星やブラックホールなどであるというのが定説である。これらの密度は通常の原子から成る物質では到達し得ない大きな値である。
[編集] 比重
ある物の性質を比較するために比重がよく用いられる。物理学的には比較密度と呼ぶ。一般的に用いられる比重はその物質の密度と 4 ℃の蒸留水の密度の比である。たとえば、オスミウムの比重は 22 である。
[編集] 粉体成形品の密度
これまでの記事においては空孔のない材料の密度の値であるが、工業的には例えば粉末焼結品(焼結金属・セラミック)などで空孔の含まれる度合を密度で評価する場合もある。かさ密度は、外部に通じた気孔の体積を含む体積で重量をわった密度であり、外部に通じた気孔の体積をふくまない体積で重量をわったものを見掛け密度という。