パラケルスス
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パラケルスス(Paracelsus, 1493年か1494年 - 1541年9月24日)は、ルネサンス初期の医師、自然哲学者、錬金術師。本名は、テオフラストゥス・フィリップス・アウレオールス・ボンバストゥス・フォン・ホーエンハイム(Theophrastus Philippus Aureolus Bombastus von Hohenheim)。
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[編集] 略歴
スイスのアインジーデルンで生まれる。父・ウィルヘルム(Wilhelm Bombast von Hohenheim)は医師で、父親から自然哲学を教わりながら育つ。
1515年にイタリアのフェラーラ大学医学部を卒業した後、医療を施しつつ旅を重ね、やがて自身の医学が、当時の医学界で支配的な地位を占めていたガレノスを超えたと考えるようになる。そして「古代ローマの高名な医者・ケルススを凌ぐ」という意味を込めてパラケルススを自称(本名の「ホーエンハイム」をラテン語化したとする説もある)するようになる。
1525年にバーゼル大学の医学部教授に就任したが、その翌年には大学から追放され、以後放浪の身となる。尚、追放の理由は「教室でガレノスの医学書を燃やしたことが反感を招いた」「キリスト教を批判した」と諸説あり、現在も明らかになっていない。
1541年、ザルツブルクで没。遺体は聖セバスチアン墓地に埋葬された。
[編集] 業績
[編集] 著作
「パラケルススの三部作」(いずれも書名に“para”が入っている)
- 『Volumen paramirum』(『奇蹟の医書』訳:大槻 真一郎 工作舎、ISBN 487502116X)
- 病気の原因として「自然因」「天体因」「毒因」「精神因」「神因」を挙げ、これら5つが人の心身から宇宙まで繋がっていると説いている。
- 『Paragranum』(『奇跡の医の糧』訳:大槻 真一郎、沢元 亙 工作舎 、ISBN 4875023820)
- 『Opus paramirum』
他の著書に
- 『聖餐論』
- 『アルキドクセン』
- 『妖精の書』
[編集] その他
パラケルススは医者であるが、前述の通り錬金術師としても有名である(一説によれば、パラケルススは完全な生命を生み出す為に錬金術師になったらしい)。錬金術師としては「ホムンクルスを創り出すことに成功した」「賢者の石を持っていた」といった伝説がある。
また、タロットカードの「魔術師」のモデルとされることがある。但し実際にはタロット自体は彼の誕生以前から存在しており、後世の人々の間で、彼の神秘性から関連づけて考えられるようになったと思われる。
[編集] 参考文献
- アレクサンドル・コイレ著、鶴岡賀雄訳『パラケルススとその周辺』白馬書房、1987年、ISBN 4891762071
- 種村季弘著『パラケルススの世界』青土社、1996年(新版)、ISBN 4791754573
[編集] フィクションへの影響
[編集] 漫画
- 『鋼の錬金術師』では、エルリック兄弟の父「ヴァン・ホーエンハイム」のモデルになった。また、アニメ版では「光のホーエンハイム」として登場する。
- 『機工魔術士』では一級悪魔として登場する。機工魔術士であり、専門は医療関係。普段は骨の姿(その為、通称「骨」)だが、一応普通の肉体の状態にもなれる。
- 『ピルグリム・イエーガー』では銀貨の1人として登場する。
[編集] ゲーム
- 『オペレーターズサイド』では、ヒロインがパラケルススの末裔という設定になっている。
- 『メルクリウスプリティ』では、プレイヤーがパラケルススの弟子という設定になっている。
- 『バイオハザード3 LAST ESCAPE』では、作中「パラケルススの魔剣」という武器が登場する。
[編集] 特撮
- 『轟轟戦隊ボウケンジャー』第41話では、クエスターがホムンクルスを作り出す材料の1つとして、「パラケルススの水銀」をダークシャドウに奪わせた。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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