ヒドロキシ基
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ヒドロキシ基(—き、hydroxy group)は、有機化学において構造式が −OH と表される1価の官能基。ヒドロキシル基 (hydroxyl group) とも呼ばれる。
正式ではない名称として水酸基とも呼ばれる。しかしIUPAC命名法に基づき日本化学会が定めた化合物命名法では、その呼び方は認められていない。
アルカンやアルケンなど、ベンゼン環以外の炭素上の水素をヒドロキシ基で置換した化合物をアルコール、ベンゼン環の水素をヒドロキシ基で置換した化合物をフェノール(類)と呼ぶ。
この官能基は、官能基同士の水素結合が可能であることが大きな特徴である。水素結合により水とも親和性を示すため、ヒドロキシ基を持つ化合物、特に低分子量のものや複数のヒドロキシ基を持つものには、水に溶けやすいものが多い。
無機化合物における陰イオン OH− は「水酸化物イオン」を参照のこと。
中性ラジカル •OH は「ヒドロキシルラジカル」と呼ばれる。
[編集] 置換基効果
芳香環上にヒドロキシ基があるとき、電子供与性の強い共鳴効果と、電子求引性の誘起効果をもたらす。塩基が作用して水素イオンが引き抜かれた形 (-O−) に変わると、そのアニオン性により共鳴効果としても誘起効果としても電子供与性となる。