ビュッフェ
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ビュッフェ(仏:buffet)は、レストランなどにおいて多種類の並べられた料理から任意のものをセルフサービスで食べる方式の名称である。
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[編集] ビュッフェの特徴
俗に「食べ放題」と言われるように定額料金で利用が可能。用意された多種類の料理から自分の好みのものを皿などの食器に取り分ける。通常1時間半~2時間程度に制限されているが、差別化の為に時間制限を行っていないレストランもある。近年は、本格的フランス・イタリア料理や各国の本格的な料理を手頃な価格で楽しめる為、高級ホテルの集客の目玉として積極的に取り入れられている。 日本での呼び方には、「ビュフェ」、「バッフェ」、「ブッフェ」などがある。すべて「セルフ方式の食事=ビュッフェの同義語」である。また、セルフ方式・食事を「バイキング」と呼ぶことも多い。これは帝国ホテルが米国映画「バイキング」(1958年公開)にちなんで名付けたのが始まりとされる和製英語である。日本以外では韓国の一部など限られたところでしか、使われていない言葉とされている。なお英語では「バフェイ」と発音するので注意。
[編集] ビュッフェの形式
ビュッフェには、利用方法によって以下の種類に大別される。
[編集] スタンディング・ビュッフェ
いわゆる「立食パーティ」というもので、会場内に料理を乗せた台と、利用客が皿を乗せて食べるためのテーブルがいくつか置かれている。
利用客は自分のペースで、好みの料理を、適当な量だけ皿に盛り、テーブルに移って食べる。自分の席が決められていないこともあり、そのような時は状況に応じて各テーブルにつき、たまたま同じテーブルに居合わせた人と会食を楽しむのである。
[編集] シッティング・ビュッフェ
前項の立食形式に対し、椅子に座って食べる形式。それ以外は立食と同様に、めいめいが好みの料理を取り分けて、席に戻る。
各自の席があらかじめ決められることもあり、結婚式の披露宴では、正餐(フルコース)にかわりこのスタイルを取り入れることもある。
[編集] オンテーブル・ブッフェ
上記二つの項をあわせたような形式で、利用客は数人~10人程度の人数ごとに、大きなテーブルにつく。その中央には、様々な種類の料理が盛られている。
そして、椅子に座ったまま、中央の料理から取り分けて食べる。
もっとも分かりやすい例は、中華料理の会食であろう。大きなターンテーブルに料理が乗せられ、各自が回して好みの料理を取る。
[編集] ビュッフェで注意すべきマナー
食べ放題=元を取る、と言うニュアンスでビュッフェを利用するのでは無く、自分のお腹の具合に合わせて、適量な1人分の分量に取り分けて食べるのが本来の利用方法である。食べられるかどうかも分からないで余分に2、3人分を皿に盛り、残すのはマナーに反する行為となる。また、あくまで店内のみでのサービス形式であるので、勝手に持ち帰る行為などは禁止である。グループ・家族連れで料理を回して食べ、大声で騒ぐ行為などで利用すると、特に海外のレストランでは注意を受ける原因にもなる。
他にも、一旦使用した皿などの食器を再度使って、食材を再び取るのは衛生上の問題から、マナーに反する行為とされ、食材を取る時には必ず新しい皿を使用する必要がある。逆に、お店が皿を洗う枚数が減るから、皿はリサイクルした方が良いのではないかと誤解している人もいるので、大変留意すべき事の一つである。(但し、一部の店ではルールにて皿などの食器について使用制限を加えている場合もあるので、その点には注意する必要がある)。
[編集] 食べ放題・バイキング方式の名称を利用する業種
- 焼肉、かに、しゃぶしゃぶ、寿司、ジンギスカンなどの飲食業が食べ放題・バイキングの名称を主に利用している。
- ビジネスホテルや温泉ホテルの朝食がバイキング形式と称されることが多い。これはコスト管理の一環である。
- 一部の地域では食育の一環として特定日の学校給食をバイキング形式(所謂バイキング給食)にして供食することもある。
[編集] ビュッフェに用いられる器材や食器
ビュッフェでは、各自が好きなときに好きな料理を取り分ける。
そのため、料理の質が落ちないようにすることが求められる。
[編集] 保温
温かい料理は、その温度を保ち続ける必要がある。
これには「チェーフィング」という器具がよく使われ、液体燃料を燃やして湯煎をするのである。
このため、料理はもちろん、料理が乗っている器具などは非常に高温になっている。うかつに触らないことはもちろん、周囲で走り回ったり騒いだりすると、非常に危険である。
[編集] 保冷
逆に冷たい料理は、氷を使用して冷たさを保つ。特に果物のような料理は氷の上に直接置くことで、見た目にも美しくなるように配慮がなされている。
[編集] ワゴン
調理後すぐに提供するために、ある程度の調理機能をもつ専用のワゴンもある。
例えばローストビーフなどは、会場に運び込まれてからシェフによって切り分けられる。その様子を目にしてもらうことで楽しんでもらおうというものである。
下部にはキャスターがついており、そのまま移動することが可能である。
[編集] アイスカービング
料理とは関係ないが、氷像を配置して、雰囲気を出すこともある。
この像は巨大なものでは高さが2メートルを超し、数時間かけて制作されるものもある。
[編集] 関連項目
- 村上信夫 - 食べ放題の「バイキング」方式を初めて行った当時の帝国ホテル料理長
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