ピンポン録音
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ピンポン録音とは、録音技術の一つ。歌や演奏を録音した、複数のトラックを、同一の録音機内の、通常は1トラック(モノラル)か2トラック(ステレオ)にまとめること。バウンスともいう。
1台のレコーダー内の複数のトラックに録音された、音声(あるいは、そのデータ)が行き来することから名付けられたともいわれている。
この作業はマルチトラックレコーダーと呼ばれる専用の録音機器を用いて行う。アナログレコーダーの場合、理論的には、「モノラル」では「3トラック」以上(最低2トラックに録音された音声を、1トラック内にまとめる。一般的に使用されている機種では、「4トラック」)、「ステレオ」では「5トラック」以上(最低3トラックに録音された音声の「定位=音の聞こえる左右の位置」を整えて、2トラック内にまとめる。一般的に使用されている機種は、「8トラック」。)で、この工程が可能となる。 デジタルレコーダでは空きトラックが無くてもピンポン録音できる機種が多くある。
通常、この工程は、レコーディング(レコードやCDなどの製作のための録音)作業でのマスタリング(レコードやCDを製作するための、原盤テープや原盤ディスク製作)における、「ミックスダウン(トラックダウン)」(現在は、それら数十トラックに録音された音を、ステレオである、2トラック、2チャンネルにミックスすること)とは区別されるが、作業工程の本質な部分ではほぼ同じ。