ファイル編成法
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ファイル編成法(— へんせいほう)は、コンピュータにおいて2次記憶上にファイルの各レコードをどのように配置・アクセスするかについての方式。
大きく分けて、次の5種類がある。
- 順編成ファイル
- シーケンシャルファイル(Sequential file)とも言う。
- レコードを一次元的に配置する方式。順次アクセスしかできない。もっとも基本的で単純な方式。
- 区分編成ファイル
- メンバという単位に分割し、メンバごとにアクセスできるようにしている。
- 特徴:
- 直接編成ファイル
- レコードキー値によって、格納するアドレスを計算して、レコードを直接にこのアドレスに格納する。
- 特徴:
- 直接記憶媒体に適応する。
- 直接アクセス法に向く。
- 媒体の記憶効率が低い。
- 順次アクセス法に向かない。
- 索引順編成ファイル
- ISAM編成ファイル
- 仮想記憶編成ファイル
- VSAM編成ファイル
[編集] オープンシステムとレガシーシステムにおける思想の隔たり
オープンシステムにおいては、ファイル編成という言葉は基本的に使用されない。なぜなら、UNIX以後のシステムにおいては、MS-DOSもMacintoshもOS/2等、ありとあらゆるシステムのファイルシステムがファイル内のデータをバイトストリームとして扱うからである。これらシステムにおいても、ファイルの中の構造というものはあり、本稿における各種ファイル編成法に近い仕組みを持っているが、これらはファイル編成とは呼ばれず、ファイル構造と呼ばれるのである。
レガシーシステムにおけるファイルシステムが上記のようなファイル編成法を強要するのは、バイトストリームという効率的なファイルシステムがまだ、存在する前に出来たものであり、こういう形でしかファイルシステムが組めなかったという理由がある。