フィトクロム
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フィトクロム (phytochrome) は植物に含まれる色素タンパク質であり、光受容体として機能する。タンパク質と、色素団であるフィトクロモビリン(直鎖状のテトラピロール構造をしたビリン色素)からなる。1124アミノ酸が配列したタンパク質のN末端から321番目のシステインにフィトクロモビリンが結合している。
フィトクロムは常温では2つの異なる吸収スペクトルをした型が認められ、それぞれ、赤色光吸収型(Pr型)と近赤外光吸収型(Pfr型)である。Pr型とPfr型は可逆性を示し、特定の波長の光を受けると交互に変換する。これにより花芽形成などの生理作用を引き起こす。
具体的なシグナル伝達機構は不明の部分が多いが、ヒスチジンキナーゼ類似の構造を有し、リン酸化経路に機能しているのではないかとも言われる。