フェルトペン
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フェルトペンは、ペン先がフェルトの油性ペン。名前ペンとも呼ばれ、本来は学校用品へ名前を記入する目的で開発された。学校用品は運動靴や紅白帽子といった布をはじめとし、おはじきやその他の細かい文具に至るまで存在し、小学校入学時にはあらゆる道具に名前を書くのが慣習となっている。しかし従来の毛筆では細部への文字の記入が困難だったため、近代的な学校教育が一般層へ行われるようになり始めた20世紀初頭に需要が顕著になった。フェルトペンは1791年にイギリスの貴族によって考案されたのが最初とされる。室内の装飾へ用いられていたフェルトを切り取り、先が細くなった金属の筒へはめ込み、インクを染み込ませながら用いた。このアイデアがいつしか民衆に伝わり、19世紀の後半には工業的に生産されるようになった。