サインペン
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サインペンは、ぺんてる株式会社により発明された水性インクを用いたマーキングペンの商標。現在は同種のペンを広く指す一般名詞化している。
[編集] 概要
- ペン先には圧縮フェルトを用いて柔らかい書き味を得、毛細管現象を利用してインクを供給する構造とした。万年筆やボールペンと異なる、独特の構造である。
- 毛細管現象利用の構造は、ボールペンと違って重力の影響を受けにくく、宇宙空間でも筆記能力を発揮できる。これを評価したNASAに採用され、ジェミニ6号・7号で使用された実績もある。
[編集] 歴史
- ぺんてる社(当時は大日本文具)は昭和39年(1964年)に当時の社長、若井が日本の毛筆のようにかけるペンとして、サインペンを市場に出したが、当初、国内では売り上げが悪かった。
- アメリカ合衆国に販路を求めることとし、サインペンを現地での展示会でサンプルとして配布されたが、うち1本が偶然に、当時のアメリカ合衆国大統領リンドン・ジョンソンの手に渡った。ジョンソン大統領はこのペンが気に入り、ぺんてる社に24ダース(288本)も注文をした。これが報道されると大統領のお気に入りとして人気に火がつき、全米から注文が殺到、発売後1ヶ月で180万本を売り上げた。その後、アメリカの影響を受けて、日本でも人気になった。