フォーマット
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フォーマット
- 形式・様式。用紙のサイズ。
- 電子媒体(記録媒体)を初期化すること。また、その初期化された形式。本項目で解説。
- コンピュータで扱う文書、画像、動画などのさまざまなメディアのファイルを特定の利用方法やアプリケーションソフトウェアで共通に扱うための形式や規格のこと。ファイルフォーマットを参照。
- テレビ番組やラジオ番組、あるいはこれらに準ずるコンテンツにおける基本的な構成・様式。
- LISPのformatコマンド
- C言語のprintf関数や、BASICのPRINT USING文の書式文字列
- アメリカのロックバンド「The Format」
フォーマットとは、電子媒体(記録メディア)を、コンピュータ等の機器で利用可能となるように初期化(イニシャライズ)すること。また、その初期化された形式を言う。
電子媒体に、ファイル等のデータを記録するためには、「ファイルシステムの識別子」や「パーティション情報」、「ディレクトリやファイルの名前や構成情報」などの初期値を記録する必要がある。この初期化が終わって初めて特定のディレクトリやファイルを作成することができる。なお、初期化の方法は、ファイルシステムによって異なる。また、コンピュータ以外のデジタル機器、AV機器などでは、ファイルシステム上にさらに関連機器上のアプリケーションで扱うための必要なデータ(アプリケーションフォーマット)を、初期化時、またはデータ書き込み時に書き込む場合もある。
以上のように初期化された電子媒体の形式を、ファイルフォーマットに対し、メディアフォーマットと言う場合もある。
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[編集] フォーマットの種類
- 物理フォーマット
- ローレベルフォーマットとも言う。(書き込み可能な)記録媒体の「生(raw)の」デジタル信号列を、記憶装置で読み書き(認識)可能な状態に初期化する事、またその初期化された型式を言う。
- 書き込み可能なディスク媒体(磁気ディスク、光ディスク等)の場合、トラックやセクタ等の信号列を含めてディスク全体を規定パターンで書き直す。
- 通常は、論理フォーマットよりも遙かに作業時間が掛かる。通常の新品の記憶媒体は、物理フォーマットおよび次の論理フォーマットを行って販売されている。(これはユーザの利便のためもあるが、フォーマットと同時にエラーの検査を行うことで、市場に不具合品が出ることを防ぐ目的もある。一部、アンフォーマットとして、物理フォーマットを行わずに販売されている物もあり、若干安価となっている。)
- また、記憶媒体の容量として、アンフォーマット時の容量を示す事もある。実際にファイルシステムの容量として使えるのは、トラックやセクタ等の信号列を除いた部分の容量(フォーマット時容量)である。
- 論理フォーマット
- 物理フォーマットが成された記憶媒体上に、パーティションやファイルシステムのために必要なデータを書き込む事である。また、そのような論理フォーマットされた形式・方式を言う。フォーマットと言うと通常、論理フォーマットを指す事が多い。
- また、記憶媒体のフォーマット時容量は、物理フォーマット後のファイルシステム等に使える容量であるが、実際にユーザがデータとして使える容量は、パーティションやファイルシステムなどの情報の容量分を除いた分である。
- アプリケーションフォーマット
- CDやDVD、メモリーカードなどで、コンピュータ以外のデジタル機器、AV機器など関連機器において扱う文書、音声、画像、動画などの情報を、特定の利用方法や関連機器上のアプリケーションで扱うための共通の形式や規格のことを言う。コンピュータで扱うファイルフォーマットに相当するものであり、また上述の論理フォーマットよりも、データ構造としては上位に位置する事が多い。例としては、DVD-Video、DVD-VR、ATRAC等がある。
- また、デジタル関連機器で実際に情報を記録する容量として使えるのは、物理フォーマット、論理フォーマットでの差引分さらにアプリケーションフォーマットやファイルフォーマットのために必要な容量分を差し引いた物である。ただし、各レベルのフォーマットでデータ圧縮型式が用いられている場合には、実際に記録する容量と、実際に読み書き出来るデータや情報の容量は異なる。
[編集] フォーマットとデータ消去の関係
- 物理フォーマット
- 物理フォーマットされた記憶媒体は、以前に記録されていた(場合の)データの痕跡も消去されて、通常の方法では読み出しが困難になる。磁気メディアの場合、専門的で高度な技術や高価な機材を使用して記憶媒体のアナログ的な信号を解析すれば、物理フォーマットされた記憶媒体のデータの痕跡を探る事が不可能ではないとする向きもある。そのような事を考慮して、記憶媒体の信号列を複数の特殊な規定パターンで複数回書き直すと良いとされ(DoD標準、NSA標準、NATO標準など)、そのような機能を売りにしているデータ消去ソフトウェアなども一般に市販されているが、パーソナルコンピュータでの通常の用途では、殆どの場合オーバースペックである。
- なお、Microsoft Windows2000(SP3以降)/XPでは、 cipher /w コマンドにより、NTFSのディスク空き領域に限って[1]DoD標準に基づく痕跡抹消が標準で可能である。但し、cipherコマンドをシステムドライブ(通常C:)に掛けた場合、ファイルシステムが温存されたままであるため、空き領域は痕跡消去できても、データ等の欠片の極一部が、ファイルシステムの一部分に残存する可能性もある[2]。ハードディスクの場合はなるべく、メーカーが頒布しているメンテナンスツールでローレベルフォーマット(物理フォーマット)やゼロフィル(0で埋める)を掛けた方が良い。なお、メディアを物理的破壊する事はほとんどの場合において確実かつ有効な手段である。
- 論理フォーマット
- 論理フォーマットでは、以前に記録されていたデータがある場合には、その大部分が痕跡として残存する事がある。また、そのデータ痕跡は、通常のパソコン等で少々特殊なソフトウェアを使用すれば容易に読み出す事ができるため、プライバシーやセキュリティ上において重要な問題となる。この様な事情は、記憶媒体上のファイル等を単に削除した場合でも同様である。
- コンピューター上での初期化やフォーマット機能が実際に物理フォーマットと論理フォーマットのどちらに該当するのか、確認することが重要である。またコンピューター以外のデジタル機器(AV機器等)の場合、フォーマットや消去や削除処理をした場合に実際にどのように処理されるか不明確な事が多い。そのような機器で使用した記憶媒体を譲渡・廃棄等手放す場合等で必要な場合には、ダミーのデータを撮影や録画等することにより、記憶媒体の全容量を埋めるか、さもなくば可能な場合には媒体を物理的に破壊する事が望ましい。