フリーランス
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フリーランス(freelance)とは、フリーアナウンサー、フリージャーナリストなど、会社に所属したり特定の会社と専属契約を結んでいない自営業の人を呼ぶ呼称。派遣社員は派遣会社と契約しているため、フリーランサーとは区別される。日本語では自由契約と呼ぶ。
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[編集] 概要
これらに属する人々は、単発の仕事として様々な仕事はするものの、その仕事を依頼する都度契約を結ぶと言う形態をとる、自営業の一種である。現代のフリーランスと呼ばれる状態に在る人では、出版業界に見られるライターやジャーナリストがおり、放送業界にも様々なフリーランサーがいる。いわゆるクリエイター職にこれに類する者は多い。アニメーション制作現場でも動画制作で数多くのフリーランサーが働いている。
フリーランサーの収入は一般に固定給ではなく、純粋に個人の能力が反映されるため千差万別である。一般論としてサラリーマン等のように月給を得て労働する労働者と比較して不安定である。このため余り優秀で無い人や、人脈の乏しい人がフリーター同然の厳しい生活を送っている等と言う話もある一方で、高い能力を備えた人は他業種以上の報酬を得ているなど個々のケースにより様々である。
[編集] 語源
Free lanceの語源は、中世に遡る。中世は王や貴族は戦争の度に傭兵団と契約して戦争に臨んだ。その中で傭兵団を離れて戦場に臨む兵士達がいた。当時は槍騎兵(lancer)が自分の従卒として歩兵や弓兵を連れている形態が多かったため、契約の際には槍の本数=1戦闘単位としてカウントされた。まだ敵勢力と契約を交わしていない(free)戦闘単位(lance)を指す言葉として「Freelance」が用いられるようになった。当時は兵士を指していた「free lancer」が、近世以降組織を離れて働く状態を指す言葉に変化した。フリーランスのフリーは、政治的立場がフリー(free、自由)なのであって、値段がフリー(free、無料)という意味ではない。
中世ヨーロッパの戦乱期は、この傭兵団が王侯・貴族の求めに応じて戦ったが、この中には傭兵への賃金の支払いに汲々とするケースも見られ、これにより没落した家系も少なくない。傭兵も元より忠誠心などは無いため、“金の切れ目が縁の切れ目”とばかりに、賃金が出せなくなった王侯・貴族を見捨て、平気で相手陣営側に付く事もあったという。
[編集] 税金の扱いなど
日本の税制上では、これらフリーランス業の収入に対する課税では、報酬の10%が源泉徴収され、また自営業の常として事業所得として収入から経費を差し引いた分から決算して確定申告する必要がある。年度末にこれの計算で頭を抱えるフリーランサーも少なくない。
なお健康保険では、やはり一般自営業者やフリーターと同じく国民健康保険に加入が求められる。