フレーバー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
フレーバー(Flavor)とは、食品の香り、味、食感など口に入れた時に生じる感覚をまとめて指す用語である。 例えば目隠しをした状態でリンゴをかじったとする。 それでも大抵の人は自分が食べたものがリンゴであるということが分かる。 これはリンゴの中に含まれる揮発性の成分が嗅覚を刺激し、呈味成分が味覚を刺激し、リンゴの果肉が口内の触覚を機械的に刺激するからである。 これらの3つの刺激のいずれが欠けても食べたものがリンゴであるということは分からなくなる。 例えば嗅覚への刺激が無ければ、かじったものは単に酸味のする何かということしか分からなくなり、味覚への刺激が無ければリンゴの匂いがする味の無い何かになってしまう。 このように食品の識別において香り、味、食感の3つの要素は分かちがたく結びついている。 そこでこの3つの要素を合わせてフレーバーと呼ぶ。
転じて、これらの3つの要素を補強するために使用される食品添加物もフレーバーと称される。 この意味では国際的にはフレーバリングの語が使用される。 フレーバリングは食品用に使用される香料のことを指すことが多いが、正確にはもっと意味が広い言葉である。 フレーバリングといった場合には香りを補強する香料以外に、味を補強する甘味料や調味料、酸味料、香辛料なども含む。