フン・セン
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サムデク・フン・セン(Samdech Hun Sen, 1951年4月4日 - )は、カンボジアの首相。カンボジア人民党の指導者。「Hun Sen」は「雲升」と云う漢字対応。「サムデク」はノロドム・シハヌーク国王によって1993年に名前に付けられた名誉称号。
1951年、コンポンチャム州で生まれる。1970年3月、北京に亡命中のシアヌーク国王の呼びかけに応じ、ロン・ノル政権に対抗するカンボジア民族連合政府軍(クメール・ルージュ)の各級部隊指揮官として従軍するが、1976年になるとクメール・ルージュの過激な政策に嫌気がさし、翌年の6月にポル・ポト派を離脱しベトナムに亡命する。
1978年12月、救国民族連合戦線中央委員および救国民族青年協会会長に就任。1978年後半にベトナム軍がカンボジアに侵攻、クメール・ルージュ軍は敗走しポル・ポトはタイとの国境へ逃れた。1979年1月にベトナムはヘン・サムリン傀儡政権を成立させた。同時期に彼は人民革命党第3回党大会において党中央委員に選出され、ヘン・サムリン政権発足後人民革命評議会メンバー兼外務大臣に就任する。外務大臣として彼はインドシナの平和をまとめ上げたパリ和平会談での重要人物だった。
1981年には第4回党大会において党中央政治局員に就任、5月の総選挙においてコンポンチャム州選出の国会議員として当選する。6月には閣僚評議会副議長(副首相)に就任する。彼はチャン・シの死の直後1985年1月に閣僚評議会議長(首相)に就任した。1990年9月にはカンボジア最高国民評議会メンバーに就任。
1993年7月から国連管理下の総選挙後にノロドム・ラナリット王子と共に暫定国民政権共同首相に就任、9月にはカンボジア王国第二首相に就任する。1997年7月には武力クーデターを起こす。1998年11月、カンボジア王国首相に就任、2004年7月にカンボジア王国首相に再選された。彼は政権にとどまるために威嚇戦術を用いることが評価された。