ブラーマグプタ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ブラーマグプタ(Brahmagupta、598年 - 668年?)はインドの数学者・天文学者。ブラマグプタとも呼ばれる。
[編集] 概略
628年にブラーマグプタは『ブラーマ・スプタ・シッダーンタ』を著した。そこで 0 と負の数に触れていて、その算法は現代の考え方に近い。(ただし 0 ÷ 0 = 0 と定義している点は現代と異なっている。)ブラーマグプタの問題と呼ばれる二次不定方程式(x2 - 92y2 = 1)の最小整数解(x = 1151, y = 120)を同書で示している。
ブラーマグプタが見いだしたものは他にもある。ブラーマグプタの公式と呼ばれる式がその一つである。円の内接四角形の面積を求めるその式は、ヘロンの公式を内包している。2つの公式の関係は、ちょうど余弦定理がピタゴラスの定理を内包しているのに似ている。
同じく円に内接する四角形に関するもので、ブラーマグプタの定理もある。対角線が直交する場合に、その交点から1つの辺への垂線の延長が対辺を二等分するというものである。
ブラーマグプタの二平方恒等式と呼ばれる式もある。2つの平方数の和で表される2つの数の積が、2つの平方数の和で表せる事を示す式である。(a2 + b2)(c2 + d2) = (ac - bd)2 + (ad + bc)2 = (ac + bd)2 + (ad - bc)2 。この等式は、フィボナッチが彼の著書に書いたことでフィボナッチの二平方恒等式とも呼ばれる。3世紀の数学者ディオファントスもこの恒等式を知っていたと見られる。先のブラーマグプタの公式とヘロンの公式の関係のように、このブラーマグプタの二平方恒等式はオイラーの四平方恒等式やデゲンの八平方恒等式に拡張される。
カテゴリ: インドの数学者 | 1世紀から10世紀の数学者 | 数学に関する記事 | 598年生 | 668年没 | 数学関連のスタブ項目