プリアモス
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プリアモス(Priamos)はギリシア神話上の人物(ただし、トロイアの実在が判明している今、相当する人物が実在した可能性もないわけではない)で、トロイア(イリオス)の王ラオメドンの子で、その後をつぎ、トロイア最後の王となった。ホメロスの叙事詩『イリアス』に登場する。
もともとはボダルケスという名前だった。ヘラクレスによるトロイア攻略の際、姉ヘシオネによって、ヘラクレスから購われた。このことにちなんで、プリアモスと呼ばれるようになったという。
ヘクトル(ヘクトール)、パリス、カッサンドラらの父親。パリスがトロイアを滅亡させるとの神託を受け、イダ山に捨てさせたが、パリスがヘレネを伴い帰還したときにはこれを受け入れた。
トロイア戦争でヘクトルがアキレウスに殺され、屍が戦車によって引きずりまわされた際には、アキレウスの陣まで自ら陰行して出向き、ヘクトルの遺骸をアキレウスに請うた。アキレウスは感動してヘクトルの遺骸を引き渡した。『イリアス』はイリオン城へ帰るプリアモスを描いて終わっている。
トロイア落城の際、ネオプトレモス(アキレウスの息子)に殺害された。