プレイング・マンティス
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プレイング・マンティス(PRAYNG MANTIS)は、イギリスのヘヴィメタルバンド。1970年代末のNWOBHM(New Wave Of British Heavy Metal)ムーヴメントの代表格。叙情的な正統派ヘヴィ・メタルを演奏するバンドとしてイギリス本国よりも日本での人気が高い。
[編集] 概要
1970年代中期にティノ・トロイ(G,Vo)とクリス・トロイ(B,Vo)のトロイ兄弟を中心に、ピート・ムーア(G)、クリス・ハッドソン(Ds)の4人編成で結成され、当時はバンド名をJUNCTIONと名乗っていた。
1970年代末に話題となっていたヘヴィ・メタル・ディスコ「Bandwagon」のDJニール・ケイにデモ・テープを送り、1979年にEMIから3曲入りの自費製作EP『THE SOUNDHOUSE TAPES2』を発表する。
ピート・ムーア(G)に変わり初期のアイアン・メイデンから移籍のボブ・アンジェロ(G)に、クリス・ハッドソン(Ds)に変わりミック・ラムサム(Ds)にメンバーチェンジを行い、1980年にインディーズから 『PRAYNG MANTIS』を発売した。 アイアン・メイデンのメジャー・デビュー・ツアーで前座として同行するが、メンバーはスティーヴ・キャロル(G)、デイヴ・ポッツ(Ds)に変わっている。同年のレディング・フェスティヴァルにも出演、これがきっかけとなりアリスタ・レコードと契約を結ぶこととなる。
1981年デビュー・アルバム『TIME TELLS NO LIES』を発表。ツインリード・ギターをフィーチュアしたメロディアスでドラマティックな楽曲、へヴィメタルバンドとしては希有な美しいコーラスハーモニーに溢れたその音楽性が評判となり、多くのファンを獲得するが、同年末頃からマネージメントとの関係が悪化し、やがてアリスタとの契約も切れ、アルバムも廃盤となってしまう(ちなみに日本では希少性も伴い幻の名作とされ、海賊盤を生み、オリジナル・アナログ盤は中古市場にて一万円を超える価格で取引されるほどであった)。
1982年にはJETレコードと新たな契約を交わし、シングル『TURN THE TABLES』をリリースするも活動は順調に行かず、再びレコード契約も切られる。その後も度重なるメンバーチェンジやバンド名の改名を繰り返しつつ活動を続けたが、いつしかシーンからその姿を消してしまった。
しかし、1990年4月に日本で行われたNWOBHM10周年記念コンサートをきっかけに、ティノ・トロイ(G,Vo)、クリス・トロイ(B,Vo)、デニス・ストラットン(B)、ブルース・ビスランド(Ds)の編成で再結成し、1991年に『PREDATOR IN DISGUISE』を、1993年にコリン・ピール(Vo)を加え『A CRY FOR THE NEW WORLD』を発売した。
2003年にはジョン・スローマン(Vo)、ドゥギー・ホワイト(Vo)をゲスト・ヴォーカリストとして『THE JOURNEY GOES ON』を発売した。
バンド名の由来は途中に在籍していたスタンリー・カニンハム(Vo)がステージでカマキリの様なアクションをすることからだが、初期の自費製作盤時には脱退していた。