ホワイトホール (ロンドン)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ホワイトホール (Whitehall) はロンドンのウェストミンスター地区を南北にはしる道路。これが転じて、周辺の地区一体をホワイトホールと称することもある。パーリアメント・スクエアからトラファルガー広場にまで至る通りに面して英国政府の各省庁の建物が立ち並んでおり、政府の中枢がこの通りに集中している。
名称は1698年の火事により全焼し失われたホワイトホール宮殿からとられている。宮殿に通じていた道路が現在のホワイトホールとなった。その北端には19世紀の前半にトラファルガー広場が建設された。厳密には北側3分の2のみが本来のホワイトホールであり、南の3分の1はパーリアメント・ストリートであるが、今日ではそのような区別がなされることはほとんどない。通りの全長は1 km (0.6マイル)ほどである。
本来のパーリアメント・ストリートはホワイトホール宮殿の脇を通ってウェストミンスター宮殿へと向かう小さな道路であった。宮殿が焼失し、その跡地が片付けられた際に道路は拡張され、最終的には19世紀に現在の光景が完成した。
1622年にイニゴー・ジョーンズによって完成したバンケティング・ハウスはホワイトホール宮殿で唯一残された部分である。チャールズ1世は1649年1月30日にこの建物の正面に据えられた断頭台において処刑されている。王党派に属する人々は現在でも処刑の日に式典をおこなっている。
現在のホワイトホールは英国における政治の中心として機能している。多くの政府官庁がこの周辺に設けられているため、「ホワイトホール」という言葉は日本における「霞ヶ関」と同様に、政府を指す際に用いられる。
通りに面しては国防省、イギリス陸軍本部、イギリス海軍本部、ホース・ガーズ、アドミラルティなど軍事関連の官庁が多い。前陸軍総司令官であるケンブリッジ公爵ジョージの騎馬像もおかれている。
ダウニング・ストリートは通りの南西から派生している。現在は一般に開放されておらず、1989年に設置された柵によって首相官邸と隔離されている。
首都警察の本部であるスコットランド・ヤードは以前ホワイトホールの北東に位置するグレイト・スコットランド・ヤードにおかれており、その名称の由来となった。
[編集] 政府関連建物
- アドミラルティ
- DEFRA
- 元陸軍省
- ホース・ガーズ
- 国防省
- スコットランド・オフィス(ドーヴァー・オフィス)
- ウェールズ・オフィス (Gwydwr House)
- 内閣府
- ダウニング街10番地
- 保健省
- 労働年金省
- 外務省
- 財務省および歳入関税局
[編集] 他の名所など
- バンケティング・ハウス
- セナタフ
- ホワイトホール・シアター