ボンデージ
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ボンデージ(bondage)とは性的興奮を得るための拘束行為、もしくは拘束を行うための道具である。言葉の一般化にともない男女共にボンデージを魅力的だと感じる傾向は増加しているとされるが、行為そのものは不快に思う人もいるので、共に納得の上で行為に及ぶのが望ましい。
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[編集] ボンデージとは何か
ボンデージは本来拘束状態を示す英語である。SMプレイのことを指すように用いられた結果幅広く解釈が広がり個々の定義は広範化している。ボンデージとは、何を指すのかについては様々な意見があり、次のような観点がある。
- BDSMを行っているグループでは、ボンデージは服従、被服従関係を築く技術の1つである
- 性行為を行うカップルの間では、ボンデージは性行為の技術の1つである
- 自慰行為を行うものにとっては、想像をかきたてる方法である
- 自縛行為に代表される、1人で行えるものである
ボンデージはほぼ全ての性的嗜好の人に受け入れられる要素があるが、男性同士の性的関係で革やラテックスに身を包むという嗜好がその走りの1つであると考えられている。
[編集] 字義的な意味とファッション
英語ではBondageは束縛、拘束、囚われの身分、囚われの状況を指す言葉であり、字義的には支配的なパートナーが服従的なパートナーを何らかの形で束縛することがボンデージと解釈することができる。ただ、近年ボンデージファッションの一般化により革やPVC製の衣服をボンデージと見なすことが多い。本来の言葉から言えば露出度が低くてもバックルやチェーン、ラバーの伸縮などでぎちぎちに締め上げるスタイルがボンデージを体現していると言えるが、単なる露出度の高い黒革の衣装になっていることは否めない。
[編集] 危険と安全対策
ボンデージを楽しむためには、様々な安全対策が必要であり、またパートナーが十分に信用できる人物であることが何よりも大切である。注意すべき点は多岐にわたるが次のような点が挙げられる。
- 行為を終わらせるために言う言葉(safe word:セーフワード)を決めておき、不快である場合は直ちにやめる
- 飲酒状態でボンデージを行わない
- 拘束した人を眼の届かないところで放置しない
- 首の周りにヒモやロープを結ばない。首輪などの場合は、十分な余裕があることを確認する
- 胸などが圧迫され、呼吸困難になる体勢に放置しない
- ハサミやナイフを準備し、ボンデージ器具が故障したり、結び目が解けなくなった場合でもすぐに拘束を解けるようにしておく
- 頭をすっぽり覆うものや口にはめるものを使う時には、呼吸ができることを確認し、飲み込んでしまった場合でも(なにかの事情で嘔吐した場合は吐瀉物が)喉につまらないようになっているものを選ぶ
[編集] セーフワード
ボンデージプレイの場合、支配的なパートナーと服従的なパートナーとの行為はロールプレイになることが多い。そのため服従的なパートナーは気分を高揚させるために「いや」とか「やめて」という言葉を発する。この言葉をそのまま受け止めていたのではいちいちプレイを中断せねばならないが、もし無視してプレイが続けられたならば、本当に「いや」で「やめて」ほしい場合でも止める手段が無いことになる。そのためあらかじめパートナー同士で「行為を終わらせるために言う言葉」を決めておいて(何でも良い)その言葉が発せられた場合は直ちにやめることがお互いの信頼関係を維持する方法となる。しかしさるぐつわなどを好む場合はセーフワードを言うことが困難となる。その場合はジェスチャーなどなんらかの方法で行為の中断を伝える余地を残しておくことが必要である。
[編集] ボンテージ
近年は減少傾向にあるが、なぜかボンテージと濁らずにカタカナ表記する日本語サイトが多数存在する。原語のBondageを承知していれば起こり得ないカタカナ表記である。どうもボクシング用語であるバンテージとの混乱があると思われる。ボクシング用語であるバンテージの原語はBandageであり包帯を意味し、Bondageとは似て非なるものである。なお、発音記号上はどちらも濁らずにカタカナ表記するのは正しいとは言えない。