ポーク卵
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ポーク卵(ポークたまご)とは、ポークランチョンミートと鶏卵を使った料理のことである。沖縄県の大衆食堂で、よく眼にする定食メニューの一つである。
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[編集] 概要
[編集] 沖縄県のポーク卵
沖縄県では、第二次世界大戦後の占領時代に米軍によって持ち込まれたポークランチョンミート(略称「ポーク」)が、一般家庭の食材としても定着しており、みそ汁の具やチャンプルーなどさまざまな料理の素材として用いられる。そういった中で、ポークを薄切りしたものを炒め、これと卵焼き(もしくは目玉焼き)を惣菜にする、というのは、ごくありふれた食事風景であった。これをそのまま食堂のメニューにしたものが「ポーク卵」である。
通常、この名で出るものは、一枚の皿にやや厚めにスライスし、両面を炒めたポークが三枚くらい、それに卵焼き(オムレツ風かスクランブルエッグまたは目玉焼き)があってケチャップが添えられている。そのそばに少量の生野菜、それにご飯(茶碗かどんぶり)とみそ汁がつく。
沖縄の大衆食堂ではごく定番のメニューであり、たいていは食堂で一番安いメニューの一つである。 類似の料理として、ポークの代わりにポーチュギー(ポルトガル風)・ソーセージを用いた「ポチギ玉子」なども存在する。
[編集] ハワイのポーク卵
沖縄と同様に偏った形の米国植民地文化が流入したハワイにおいても、ポークランチョンミートと卵を組み合わせた料理は朝食の定番となっている。ただこちらでは商品名を取って「スパム・アンド・エッグズ (Spam and eggs) 」と呼ばれることが多い。
[編集] 香港のポーク卵
中華料理が基本の香港でも、ポーク卵系のメニューが茶餐廳という喫茶レストランにある。皿に盛ったご飯の上にポークランチョンミートと卵を焼いて乗せた「餐蛋飯(広東語 ツァンダーンファーン)」の他、インスタントラーメン、サンドイッチ、スープマカロニの具としてもポーク卵がよく使われている。香港の場合、スパムなどの欧州品の他に、価格の安い中国からの輸入品が多く入っているため、多くの店舗では、中国製品を使っている。中国のポークランチョンミートには、円筒形の缶入りのものもあるため、厚切りの丸いハム状で出てくることも多い。