マカロニ
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マカロニ(macaroni)は、イタリア料理で使われる麺類であるパスタのひとつ。語源は、イタリア語のマッケローネ(Maccherone)の複数形マッケローニ。
国や地域によって意味するものに違いがある。日本では短い穴の開いた棒状や貝殻状のもの、意匠を凝らしたものなどの総称で指すのに対し、イタリア語のマッケローニは主に穴のあいた棒状のもの(長さ不問)を指す(普通茹でる際に適当な長さに折って用いる)。英語では、穴の開いた棒状の短いパスタのみを意味し、生のものではなく、商業的に大量生産されるものを指すことが多い。また英語圏でも、ニューヨークやフィラデルフィア周辺のイタリア系アメリカ人は、パスタ全般を指す言葉として使っている。
[編集] マカロニを使った料理など
- アメリカ
- アメリカでは、1789年に第3代大統領トーマス・ジェファーソンがフランスから帰国した時にマカロニを作る機械を持ち帰ったとされている。またジェファーソンは自邸モンティセロで茹でたマカロニをおろしたチーズとバターで和えてオーブンで焼いた、今日の「マカロニ・アンド・チーズ」(macaroni and cheese)とよく似た料理を供させたことが知られている。マカロニ・アンド・チーズの歴史は古く、アメリカ合衆国建国以前のイギリスではよく似た料理が「マカロニプディング」という名で知られていた。今日ではマカロニ・アンド・チーズは家庭で人気のあるアメリカ料理の1つとなっており、乾燥マカロニとレトルトパック入りソースと粉チーズをセットにした商品や冷凍食品としても製造及び販売されている。
- 香港
- 日本
[編集] その他
16世紀から17世紀にかけて、イタリア語にラテン語のような語尾をつけて、風刺に使うのが流行したことがあり、これをマカロニ・ラテン語(macaroni Latin か macaronic Latin)と呼ぶ。
18世紀のイギリスでは、マカロニはイタリアで最先端の流行に触れ、それを持ち帰って広めた者や最先端の流行に対して使われた。アメリカ独立戦争の頃にアメリカで流行した歌、ヤンキー・ドゥードルの1節に『stuck a feather in his hat, and called it macaroni』(帽子に羽を挿し、マカロニと呼んでくれ)とあるのは、マカロニのような黄色い羽を挿したことではなく、気取ったファッションを指している。
20世紀の中ごろにイタリアで作られた西部劇を日本ではマカロニ・ウェスタンと呼ぶ(英米伊仏などではスパゲッティ・ウェスタンと呼んでいるが、映画評論家の淀川長治が「スパゲッティでは細くて貧弱そうだ」ということで「マカロニ・ウェスタン」と改名した)。