マツモムシ
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?マツモムシ | ||||||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||
Notonecta triguttata Motschulsky, 1861 | ||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||
Backswimmers |
マツモムシ(松藻虫 Notonecta triguttata)は、カメムシ目(半翅目)・マツモムシ科に分類される昆虫の一種、またはマツモムシ科の昆虫の総称である。水生昆虫で、背泳ぎで泳ぐ事で有名。
[編集] 種としてのマツモムシ
体長は11.5-14mm。体は細長い楕円形、触角は短く、鋭い口吻を持つ。前足、中足はやや短く、獲物を捕らえるために使われる。水中でうまく泳ぐために後脚は遊泳脚として発達している。
灰黄色で黒色の斑点があり、ビロードのような光沢を持つ。黄色い部分は北に行くほど広く淡色である。水中では体表面に空気の層を保持するため、銀色に見える。幼虫は、翅がなくて真っ白の腹部がよく目立つ。頭部・胸部に続く腹部が相対的に小さいので、頭でっかちに見える。
捕食性で小魚やオタマジャクシ、他の虫を捕まえ、口吻を獲物に突き刺して体液を吸う。この虫を素手で捕まえるとこの鋭い口吻で刺す事があり、ハチに刺されたときのように非常に痛い。
池や沼などの水中に見られる。普段は背面を下にして泳ぐ。水中で、体を水平にして泳いでいるか、水面の下に、頭をやや下げて静止していることが多い。飛ぶときはひっくりかえってから飛び立つ。
[編集] マツモムシ科の昆虫
日本には3属9種が知られている。
- マツモムシ属
- マツモムシ Notonecta triguttata
- キイロマツモムシ Notonecta reuteri
- 体長13.5-16mm。体の背面は灰黄色で、下面は黄褐色ないし暗褐色。
- オキナワマツモムシ Notonecta chinensis
- 体長14-16mm。希少種。
- Anisops属
- コマツモムシ Anisops ogasawarensis
- 体長6-7mm。マツモムシより一回り小さく、体は細い。マツモムシが水面近くに定位することが多いのに対して、コマツモムシはやや深い水の中ほどにじっと漂うことが多い。体全体が灰褐色に見える。
- クロイワコマツモムシ Anisops kuroiwai
- イシガキコマツモムシ Anisops occipitalis
- オオコマツモムシ Anisops stali
- ヒメコマツモムシ Anisops tahitiensis
- Enithares属
- タイワンマツモムシ Enithares sinica
- 体長8-9mm。準絶滅危惧種。
[編集] 関連項目
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