マノエル・デ・オリヴェイラ
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マノエル・ド・オリヴェイラ(Manoel de Oliveira, 1908年12月11日 - )は、ポルトガル・ポルト出身の映画監督。
2007年12月で99歳になる。
2006年、97歳の時に現時点における最新作(『ベル・トゥジュール』)を撮り上げたことも驚くべきことなのだが、それ以上に凄いのは彼が本格的かつ定期的に作品を創り上げるようになったのは60歳を過ぎてからだということだ。
監督デビューは23歳と早いのだが、その後幾度かの監督業休眠期間を経て、63歳の時に撮った『過去と現在 昔の恋、今の恋』(1971年)以降、再び映画を制作し始め、80年代に入り70歳を過ぎてからは一年に一作に近いペースで新作を撮り続けている。
小津安二郎は60歳で死去し、ジョン・フォードやジャン・ルノワール等の大作家達が60歳を過ぎてからは殆ど作品を撮らなかった(撮れなかった)ことを考えると、彼の作品制作のペースはまさに驚異的だ。
また、一作ごとに作風が全く異なるのに、いずれの作品もオリヴェイラらしさ、彼の独自性を感じさせることも特筆すべき点として上げられる。
なお、「De」の発音だが、当初「デ」として紹介されてが、ポルトガルでは「e」が無音になるため、ポルトガル大使館などの指導を得、『クレーヴの奥方』以後はドに変更して公開しているが、なかなか徹底できずにいる。
2007年現在も撮影しており最新作の公開は2008年(撮影時98歳)。
[編集] 主な監督作品
- ドウロ河 Douro, Faina Fluvial (1931年)
- アニキ・ボボ Aniki Bóbó (1942年)
- 過去と現在 昔の恋、今の恋 O Passado e o Presente (1972年)
- フランシスカ Francisca (1981年)
- 文化都市リスボン Lisboa Cultural (1983)
- カニバイシュ Os Canibais (1988年)
- ノン、あるいは支配の虚しい栄光 'Non', ou A Vã Glória de Mandar (1990年)
- 神曲 A Divina Comédia (1991年)
- アブラハム渓谷 Vale Abraão (1993年)
- 階段通りの人々 A Caixa (1994年)
- メフィストの誘い O Convento (1995年)
- 世界の始まりへの旅 Viagem ao Princípio do Mundo (1997年)
- クレーヴの奥方 La Lettre (1999年)
- 家路 Je rentre à la maison (2001年)
- 家宝 O Princípio da Incerteza (2002年)
- 永遠(とわ)の語らい Um Filme Falado (2003年)
- O Quinto Império - Ontem Como Hoje (2004年)
- Espelho Mágico (2005年)
- ベル・トゥジュール Belle toujours (2006年) 主演:ミシェル・ピコリ、ビュル・オジエ