マヤ文字

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マヤ文字 ディエゴ・デ・ランダ司教のRelación de las Cosas de Yucatánから（16世紀）。「アルファベット」を解読しているページ。ランダはマヤ文字の記された文章を大量に焼却したが、布教活動などに役立てるため研究を続けた

マヤ文字（Mayan Glyph,マヤもじ）は、主として紀元2世紀頃からマヤ地域で使用された一種の象形文字である。文字体系は石碑や絵文書に描かれた1マス分の文字のなかの主要な大きな部分を「主字」と呼び、小さな部分を「接字」と呼ぶ。

また、ひとつの文字で漢字のように意味を表す場合と音節文字の組み合わせで、ひとつの単語を表す場合とがある。このことは、当時のソビエト連邦（現ロシア）の研究者ユーリ・クノロゾフによって発見され、1952年に発表された。つまり「盾（パカル）」を盾の象形文字1字で表現する場合と「ぱ（pa)」「か(ka)」「ら(la)」と三文字の音節文字で表現する場合がある。漢字とひらがなの関係を考えればよいが、ふりがなのように音節文字を使う場合もある。

また、石碑に刻まれたマヤ文字は、歴史を記していることが、ハインリヒ・ベルリンによるいわゆる「紋章文字」の発見（1958年）と、タティアナ・プロスクリアコフによるピエドラス・ネグラスの碑文の解読（1960年）によって証明され、現在ではある程度の王朝史までが再構成されている。　

文字には、幾何体と頭字体の2種がある。また、主として人物や動物の神を組み合わせたような全身像を描いた「全身体」とも言うべき文字もあり、主として暦の文字に用いられた。

文字の読み方は、たいていは縦2行一組で「左→右→（下へ）左→右」と読まれる。この読み方の起源は、暦の導入文字が2行分とっていて、その下に文字を2列に刻んだことから始まったと推定されている。