ミステリー・サークル
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ミステリー・サークルは、英国を中心に世界中で報告されている、穀物が円形(サークル形)に倒される現象、あるいは、その倒された跡。円が複数組み合わされた形状や、さらに複雑な形状のものもある。英語ではクロップ・サークル (Crop circle) という言い方が一般的である。
ほぼ1980年代を通じて謎の現象として注目され、様々な原因仮説が示された。しかし、1990年代前半に人為的なものであることを示す様々な事例が明らかになり、それ以降は人為的なものであると考えられている。
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[編集] 形状
初期には単純な円形であったが、複数同時に現れるもの、長方形など直線的な部分を含むもの、大小さまざまなサークルが幾何学的配置で現れるものなど、次第に複雑化した。
[編集] 発生原因
発生原因にはオカルト・SF的な諸説(宇宙人によるもの、マイクロバースト、プラズマ、霊的なもの)が唱えられたが、現在では老人二人組の犯人が名乗りを上げ、簡単な道具で比較的短時間に作れることを実演で示したこともあり、ほとんどが人間によるいたずらとみなされている。ミステリー・サークルが発見されるのはほとんど月曜日であることは、それらが土曜と日曜に作成されている事を示唆している。
なお宇宙人説やプラズマ説などに固執する立場の者は、あまりに幾何学的な形状が現れること、あるいは作物が網込むように倒れる現象が人間の仕業ではないことを裏付けていると彼らに「反論」したが、前者はCADを用いて本格的な設計を事前に行っている事が要因であり、後者に関しては人為的に作成したものにも同じ現象が現れることが示されている。
クロップ・サークルを作るグループが複数あることが知られており、イギリスのケンブリッジ大学の近辺に現れたマンデルブロー集合型のミステリー・サークルは研究仲間が作成したものだとマンデルブロー博士が証言している。
イギリスのテレビ局が、前記の犯人と組んで密かに作成したミステリーサークルを専門家に鑑定させる番組で、全ての専門家が人間による悪戯と見抜くことが出来ず、人間以外の手によって作成されたと誤って判断したことから、人間の悪戯以外に原因を求める説はほぼ一掃されている。
また、悪戯であると世間が認識するにしたがってミステリー・サークルの発生が減少、現在ではほぼ終息してしまっていることも、愉快犯による仕業であったことを裏付けている。
- 規定時間内に独創的なミステリー・サークルを作るコンテストも行なわれている。
- 農場の持ち主が宣伝を目的に、サークルの作成を依頼していたことも少なくなかったと述べている。
[編集] 呼称
「ミステリー・サークル」という言葉は、早稲田大学の大槻義彦教授が自分の造語だと主張しているが、実際には現象が話題になり始めた頃、海外でいくつか呼び名が提唱されたものの中に既にあったものである。
[編集] 関連語句
[編集] 参考文献
- ジョン・マックニッシュ 『ミステリーサークル黙示録』 田中嘉津夫訳 (英国で一部始終に付き合ってきた人の手記) ISBN 4876992835
[編集] 外部リンク
- ミステリーサークル
- circlemakers(実際にミステリーサークルを作っているサークルメーカーのサイト)
- 分析サイト