メダルチギ
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メダルチギとは、韓国で主に普及している遊戯機器の一種。
一言で言えば「韓国版パチンコ機」であるが、日本のパチンコと違うのは、遊戯にパチンコ球ではなくメダルを使用する点。韓国国内ではパチンコと呼ぶと、日本式のパチンコ機ではなくこちらを指すほどに普及しているという。
[編集] 概要
台の構造は日本のパチンコ機(デジパチ)から釘やスタートチャッカー等を取り除き、代わりに台の上に液晶パネルを追加したような形のものが主流となっている。元々は日本から輸入したパチンコ機を改造して使用していたと言われるが、近年はオリジナルに開発された機種も増加している。
遊び方は、台にメダルを投入するとまずそのメダルが発射される。このメダルが入賞口に入ると今度は盤面にある液晶で(日本のパチンコ機とほぼ同様の)抽選が行われ、この抽選に当選すると「大当たり」となる仕組みだ。「大当たり」となると台から商品券が払い出される。
なお最近ではメダルを使用せず、台の横にある紙幣投入口に紙幣を投入すると台のクレジットが増え、スタートボタンを押すと100ウォンずつクレジットを消費して台上部の液晶パネルで第1段階の抽選を行うことでメダルの発射の代わりとしている台が多い。
[編集] 問題点
韓国国内の法令では、メダルチギ等のゲーム機における大当たり時の払い戻しの法定上限は200倍までとなっており、通常メダルチギでは1プレイ100ウォンとなっているため大当たり時の払い戻しは2万ウォンが上限となるのだが、近年この法規制を無視し、大当たり時に最大で2万5000倍もの払い戻しを行う機器が登場し社会問題化している。
中でも日本のパチンコ機「海物語シリーズ」(三洋物産)をモデルとして開発された『パダイヤギ』という機種については、大当たり時の払い戻しが明らかに法定上限を上回っているにも関わらず、韓国政府内の映像物等級審査委員会(日本の保通協に相当する機関)による許可を受けて販売されていたことなどから、政府内部における汚職疑惑にまで発展している。
またメダルチギの多くは日本から輸入したパチンコ機を改造したものが使われているが、元となるパチンコ機の使用にあたり同機器を製造したメーカーの許可を得ていないものも多いといわれ、パチンコ機メーカーの業界団体である日本遊技機工業組合では「知的所有権の侵害に当たる」として実態調査を行っている。