海物語シリーズ
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海物語シリーズ(うみものがたり-)とは、三洋物産発売の海を舞台としたパチンコ機シリーズの総称である。2007年現在の最新機はCRスーパー海物語 IN 沖縄。
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[編集] 概要
三洋物産より発売されたパチンコ機シリーズで、横スクロール5ラインのリール配列をもつ。シリーズを通してシンプルな演出が特徴である。各作品とも人気が高く、いずれもパチンコ店シェアNo.1を獲得している。マリンちゃんなどのキャラクターや魚群予告など、基本的な演出はシリーズを通して一貫しているが、一部では「シンプルすぎてつまらない」「保守的だ」などの意見もみられる。また、海物語シリーズの人気に肖るため、他社からも「海」を舞台にした横スクロール5ラインのリール配列をもつパチンコ機が幾つか発売された。しかし、中にはあからさまなパクリに近いような作品まで存在する為、三洋と他社との間で多少の揉め事が発生した。このため『CRスーパー海物語』以降の作品からは、三洋物産製の海物語シリーズであることを示す「海マーク」と呼ばれるロゴが貼付される事となった。
韓国では「パダイヤギ(바다 이야기)」(直訳すると海物語)という名称の成人娯楽ゲーム機(メダルチギ)があるが、日本のパチンコ海物語とは一切関係ない。
[編集] 作品一覧
[編集] メインシリーズ
- ギンギラパラダイスシリーズ
- 海物語シリーズの元祖とも言える権利モノ。現金機の『ギンギラパラダイス』とCR機の『CRギンギラパラダイス』が存在する。「泡」や「魚群」等の基本的な演出は、本作の時点で既に完成されている。
- CR海物語
- 『ギンギラパラダイス』のCRデジパチ版として開発された機種で、『海物語』という名前が以降の作品に引き継がれる事となる。本作からプレミアムキャラクターの「サム」が登場するようになった。又、権利物との最大の違いとして大当り後に、再抽選演出が追加されている。リミッタータイプから始まり確率の異なるスペックが数多く登場しており、現金機も含めるとシリーズ中最多の兄弟機が存在している。
- CR新海物語
- 本作は時短機能を搭載した作品である。後述の『CRギンギラパニック』と同様、マリンちゃんとサムと魚群が3D化されたが、泡や図柄キャラクターは2D画のままとなっている。演出面での大きな変更は無いが、前作の「波紋リーチ」が「黒潮リーチ」に変更された他、「赤魚群」や「枠外プレミアム」が追加された。本作の演出が、後の海物語シリーズの基礎となる。
- CR大海物語
- 2004年の規則改正に対応した新基準機。本作には、演出の異なる三つの「モード」が搭載されている。また、「マリンちゃん」や「サム」が喋るようになった。泡も3D化された。また、5連荘で初代ミス・マリンちゃんの大久保麻梨子、10連荘で大久保に加え初代準ミス・マリンちゃんの阪本麻美、三宅梢子の実写画面が現れる。
- CRスーパー海物語
- 本作にも演出の異なる三つの「モード」が搭載されているが、前作よりも大幅に手が加えられている。また、本作にはシリーズ初となる「変動中の予告」が搭載されている。新キャラクターの「ワリンちゃん」も登場する。
- CRスーパー海物語 IN 沖縄
- 2007年現在の最新作。『CRスーパー海物語』の兄弟機的な作品である。「ハワイモード」が「沖縄モード」に変更された他、本作には突然確変が搭載されている。また、5連荘で二代目ミス・マリンちゃんの小倉遥、10連荘で小倉に加え二代目準ミス・マリンちゃんの五藤真愛、中村果生莉の実写画面が現れる。
[編集] 派生作品
[編集] 海を舞台とした作品
- CRギンギラパニック
- 『CR海物語』の後に発表された作品。マリンちゃんや図柄キャラクターが3D化され、一部の図柄キャラクターが変更された。演出面も大きく変更されているが、それ故にファンからの評判はあまり良くなかった為、あまりヒットしなかった。この作品もメインシリーズの一つとして扱われる場合があるが、本項では分離する事とする。
- CRGOGOマリン
- 『CR大海物語』の後に発表された作品。マリンちゃんをメインキャラクターとした作品で、縦スクロールに5リール、リーチが掛かる場所は15ラインもあるという特徴的なリール配列を持ち、同時にリーチか掛かったライン数が多いほど期待度が高い。最大で6ライン同時にリーチが掛かるが6ラインリーチは大当たり確定である。図柄キャラクターはメインシリーズのものと同様で、中央ラインには裏ザメも存在する。海のキャラを使用しているものの、そのべースとなっているものは以前に販売されたCRキングパニックである。
[編集] 海以外を舞台とした作品
- CRわんわんパラダイス
- CRプリティーわんわん
- CRにゃんにゃんパラダイス
- CR大わんわんパラダイス
- CRバードカーニバル
- CR清流物語
- CRムツゴロウの動物王国
[編集] 基本演出の流れ
- 1. デジタル変動が始まる。
- 2. リーチが掛かるor何も起こらずハズレ。
- リーチが掛かった場合
- 3. 予告演出発生。発生タイミングは、2図柄が画面中央通過時。このタイミングで何も発生しない場合は「無予告」となる。
- 4. 7図柄が画面中央通過時にスーパーリーチ発生。このタイミングで何も起こらない場合は「ノーマルリーチ」となる。
- 5. 大当たりorハズレ。
[編集] 泡と魚群
泡と魚群は、海物語シリーズの基本となる予告演出である。
[編集] 泡予告
泡予告は、画面下から無数の泡が吹き出す演出である。この演出は、
という特徴を持つ。基本的には期待度が低い「弱予告」ではあるものの、大当たりに結びつく事も多々ある。予告が発生しなければ「ノーマルリーチ」確定である為、期待度は低いが発生しないよりはマシという予告である。
[編集] 魚群予告
魚群予告は、画面右から無数の魚の群れ(魚群)が通過する予告演出である。海物語シリーズの代名詞ともいえる予告演出で、「海といえば魚群」などとも言われる。この演出は、
- 発生すればスーパーリーチへの発展が確定する。
- 発生頻度は低いが、大当たり期待度は高い。
という特徴を持つ。基本的には期待度が高い「激アツ予告」ではあるものの、外れてしまう事も多々ある。そのため、当たるか外れるか判らないドキドキ感を味わうことができる。この予告によって、群=アツいというイメージが定着し、その後の多くの機種に○○群と呼ばれる類似した予告演出「群予告」が搭載される事となった。なお、『CRスーパー海物語』のマリンモードでは、魚群は画面右からではなく画面奥から登場するようになっている。
[編集] 魚群のプレミアム
- 赤魚群
- 赤魚群は『CR新海物語』から搭載されたプレミアム演出で、発生すればサム系のリーチが確定、つまり確変大当たり確定となる。名前は「赤魚群」だが、実際には赤い魚と濃い紫色の魚が混ざった魚群が通過する。
- 超魚群
- 超魚群は『CR大海物語』の「アトランティスモード」と『CRスーパー海物語』の「ハワイモード」に搭載されているプレミアム演出である。この予告はスーパーリーチ中にボタンを押しっ放しにすると、魚群の通過が止まらなくなるというもので、図柄が揃うまで通過し続ける事となる。発生すれば確変大当たり確定。
- 巨大魚群
- 巨大魚群は通常よりも大きなサイズの魚群が通過プレミアム演出で、『CRスーパー海物語』の「マリンモード」と「ハワイモード」に搭載されている。「ハワイモード」の場合はスーパーリーチ中にボタンを押す、もしくは連打すると出現する可能性があり、「マリンモード」の場合は「ワリンチャンス」発生時に出現する事がある。
[編集] 登場キャラクター
[編集] 人物など
- マリン
- 海物語シリーズの主人公。18歳。金髪のポニーテールが特徴。「マリンちゃん」と「ちゃん」付けで呼ばれる事が多い。『CR新海物語』までは「黄色のビキニ」のみを着用していたが、『CR大海物語』以降はモードを変えるとコスチュームも変わるようになった。『CR大海物語』では「赤いハイビスカスの模様入りのビキニ」と「白いウェットスーツ」を着用、『CRスーパー海物語』では「虹色のビキニ」と「腰みのをつけたハワイアンのコスチューム」、『CRスーパー海物語in沖縄』では「パステル模様のビキニ」と「沖縄の民族衣装」も着用する。なお、『CRわんわんパラダイス』などに登場する「ラブちゃん」は、マリンちゃんの妹であるとの事。
- サム
- 『CR海物語』で初登場。22歳。緑の髪と筋肉質な体が特徴。彼がリーチ中に登場すると確変大当たりが確定するため、「ミスター確変」などの異名をもつ。マリンちゃんとは異なり「くん」付けで呼ばれることは少ない。マリンちゃんと同様、『CR新海物語』までは紫色の競泳パンツのみを着用していたが、『CR大海物語』以降は「白いウェットスーツ」「腰みのをつけたハワイアンのコスチューム」「沖縄の民族衣装」も着用するようになった。
- 海物語シリーズ以外にも、同じ三洋物産の『ウキウキフィッシング』シリーズに登場しているが、そちらではトローリングリーチに登場するレギュラーキャラで、確変確定キャラではない。そのリーチではカジキ釣りに挑戦しており、『CRスーパー海物語』のカジキリーチでの登場に繋がっている。
- ワリン
- 『CRスーパー海物語』で初登場。18歳。青い髪と青いビキニ、コウモリの翼のような髪飾り、左目の下の泣きボクロが特徴。『CRスーパー海物語in沖縄』では水着のデザインが変更される。やや癖のある性格で、大当たり時には「ホホホホホホ!」と高笑いし、ハズレ時には親指を噛んで悔しがる。15連荘達成時の大当たりラウンドの中のマリンちゃんとの会話によると、「2人は仲が良い」との事。マリンちゃんよりも巨乳である。
- 初代ミス・マリンちゃん、大久保麻梨子が、三洋物産のスタッフに「悪い事をするマリンちゃんがいたら面白いですよね。名前はワリンでどうですか?」と冗談で申し出たことが採用されたのかもしれない、と大久保本人が証言している。
[編集] 図柄キャラクター
[編集] 10図柄と裏4
10図柄はギンギラパラダイスにのみ存在する図柄で、兄弟機のCRタイプや「2」、「V」にも使用されていない。その代わりに中段リールの9と1の間に4が存在し、これを「裏4」「裏ザメ」と呼ぶ。これに対し、3と5の間に存在する4は「表4」「表ザメ」と呼ばれることもある。「表4」と「裏4」は同じ「4」ではあるが、内部的には違う図柄として扱われており、「裏4」が10図柄扱いとなっている。また、『CR海物語』では「裏4」で揃うと昇格スクロールが発生しない為、通常大当たり確定であったが、『CR新海物語』以降は昇格スクロールが発生するようになり、発生した場合は1の「タコ」になる。
ちなみに上段と下段は9の隣が1になった為、1と9の確変図柄同士のダブルリーチが掛かるようになった。
[編集] パチスロ
パチスロでも海物語シリーズの人気の高さにあやかろうと、過去に海物語をモチーフとした以下のような台が発売されている。
また「はいさい潮姫」・「らくちん沖姫」・「ちゅら姫SUN」(いずれもエレコ・アルゼ)に登場する「彩ちゃん」がマリンちゃんに酷似していることも指摘されているが、実はキャラの使用について三洋物産の承諾を受けているため、これらの機種も広い意味での海物語シリーズに該当するといえる。
[編集] 脚注
[編集] 関連項目
- 曉!!男塾 青年よ、大死を抱け(宮下あきらの漫画、登場人物が海物語に似た妖術技を使う)
- パチパラシリーズ
[編集] 外部リンク
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