モナーRPG
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モナーRPGは、インターネットの匿名掲示板2ちゃんねるなどで、よく使われるアスキーアート(AA)によるキャラクター、モナーやギコ猫などを題材にしたRPGである。中にはアクションゲームの要素などを含んだ物も数少ないが見受けられる。現在の所、商用の作品は作られておらず、すべて個人が作成したフリーソフトとしてインターネット上で配信されている。ほとんどの作品が、株式会社エンターブレインから販売されているRPGツクールシリーズで作成されている。
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[編集] 作品の傾向
前途した通り、ほとんどの作品がRPGツクールで作成されていて、ゲーム用素材の使い回しが容易であるので、個人が作成したモナーRPG用の素材がフリー素材として数多く出回っており、多くの作品で共通の素材が使用されているのが特徴。特にAAキャラクターの歩行グラフィックは一種の『規格』と言っても過言ではないほど、共通の素材が大量に使用されている。
モナーRPGの作風は大別すると2通りに分かれる。
2ちゃんねるネタを前面に出したもの
2ちゃんねるユーザー(2ちゃんねらー)にしか分からない、濃い2ちゃんねるネタやギャグが、作中に多く出てくる2ちゃんねる色の強い作品。ギャグゲーやバカゲーに分類される事も。短編の一発ネタの作品は大体、これに分類される。最近ではこの手の長編の作品は減ってきている傾向にある。
RPG作品としてのシステムやストーリーを重視したもの
架空世界を舞台に、AAキャラクター達が冒険する一般の市販コンピューターRPGの様な作品。ストーリやアイテム、技などに細かい2ちゃんねるネタを混ぜた作品が多い。現在ではこのような作風の物が主流となっている。作品によってはAAキャラクターを普通のRPGに出てくる、人間キャラクターに置き換えても、通用するような作品も存在する。有名RPGのパロディ作品もいくつか作成されている。
2ちゃんねるのアングラ色が強かった時代には多少ながら不謹慎ゲームのイメージがあったが、最近では2ちゃんねると共にそのイメージもやわらいでいる。
[編集] 歴史
モナーRPGの登場について現在、最古の記述が確認できる物は2000年9月8日に2ちゃんねるのモナー板に立てられた*RPGツクールでためしに・・・というスレッドである。このスレッドにRPGツクール2000で作られたモナーRPGやAAキャラクターのゲーム用素材が投稿された跡が見られる。 このスレッドは後に、「モナーRPGを作ろう」というタイトルで続き、2007年3月現在もスレッドが続いている。
モナー板を代表する長寿なスレッドとなっている。
歴史の長さ故、高い評価を得ながらも、製作者がネット上から消えてしまい配布が終了してしまった作品もある。
[編集] 主な作品一覧
(詳細やその他の作品については外部リンクの2ちゃんねるAAのRPG総合wikiを参照)
- モナークエスト
- モナーRPGの歴史に残る名作、最も有名なモナーRPGである。これと言った特別なシステムはないが、無駄がなくシンプルで完成されたゲーム性や、2ちゃんねる色を前面に出しながらも、何処となく温かい作風は絶大な支持を受けた。かなり古い作品でもあり、残念ながら現在では配布が終了してしまっている。
- ABON
- モナークエストと並ぶ名作である。凝ったシステムや、壮大でシリアスなストーリーは後続の作品に多大な影響を与え、この作品のストーリーをオマージュした物も作成されている。こちらも配布は終了している。
- モナー村開拓史
- モナー板に立てられた『モナー村開拓史』というスレッドを元ネタとしたシミュレーションRPG。資材を敵地から奪い自分の村を自由に発展させたり、アイテムを合成し、より強いアイテムを作れるやりこみ要素の高い独特のシステムや、数あるモナーRPGの中でも非常に大きいボリュームが最大の魅力。
- モナゴンクエスト
- ドラゴンクエストのパロディ作品である。こまかい部分も原作に忠実に再現されていて、ドラゴンクエスト経験者も、未経験者も楽しめる作品。
- 2ch rpg ~empire army Repulse~
- メタルマックスシリーズを想起させる、SF色の強い作品。モナーRPGではあまり開拓されていないSF要素を含んだジャンルを本格的に開拓した。システムやストーリーも分かりやすく、シンプルでRPG初心者にもとっつきやすい良作である。
- MATERIAL AA
- まさに正統派ファンタジーと言った作品。第一章から第6章まで作成予定とされている未完成の作品である。現在、2章まで完成された体験版が配布されているが、体験版ながら他の作品を圧倒するボリュームや、細部まで凝ったシステム、壮大なストーリーは完成品と言っても良いほどである。モナーRPG史上に残る大作になると期待されている。
[編集] 紅白モナーRPG合戦
2004年の年末にモナー板のスレッドにて有志の手により紅白モナーRPG合戦というイベントが行われた。これは紅白歌合戦のように何人かが紅白に分かれ作品を出し合い、紅、白どちらの作品が面白かったか投票を行い、それによって勝敗を分けるというものである。第一回は計画性もなしに唐突に行われたためか盛り上がりに欠け、作品も少なくイベントとしては失敗に終わったが、このイベントは翌年の2005年にも引き継がれた。第二回は前回の教訓を活かし、有志の手によりイベントとして体を成し参加者も増え、大成功に終わりようやく一年に一回の一大イベントとして認識された。後の2006年の紅白も無事成功に終わり、素晴らしい作品が多数出展された。
[編集] ニダーRPG
韓国人、朝鮮人をやや侮蔑的なニュアンスを込めて表したAAキャラクターの一種、ニダーを題材にしたRPG。こちらもほとんどが、RPGツクールで作成されている。2005年3月19日にニダー板に立てられた*ニダーRPGを作ろうというスレッドが初出であり、精力的に活動する製作者も多く、モナーRPGに負けず劣らず現在も続いている。ギャグ要素の強い短編作品が大半を占めモナーRPGのような長編作品は現在の所、見受けられない。
ニダー自体はモナーRPGにも敵役や脇役として、たびたび登場していたが、なかなか重要な役割を与えられた作品は見受けられなかった。 ニダーRPGは単に、ゲームの主役をニダーに変えただけという物ではなく、ニダーというAAキャラクターの強烈な個性を活かしたギャグやストーリーが人気の秘訣である。現実の日朝関係、日韓関係、韓国の『反日』感情などをおもしろおかしく『皮肉った』作風が多く見られ、北朝鮮最高指導者金正日や韓国大統領盧武鉉など現実の人物もゲームキャラクターとして、たびたび登場する。 また、自民党を痔民党、共産党を、狂産党などわざと悪い意味の当て字を書く場合も多い。 たまに同じ反日国として中国も登場することがある。実在の人物や事件が登場し、実在の国をやや侮蔑的に風刺しているので、不謹慎ゲームに分類されることも多い。 ただし、決して全ての作品が韓国人や朝鮮人を根本から否定し、差別するようなことを意図して作られてるわけではないという点には注意してもらいたい。