モース硬度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
モース硬度(モースこうど)は、主に鉱物に対する硬さの尺度のこと。硬さの尺度として、1から10までの整数値を考え、それぞれに対応する標準物質を設定する。
ここでいわれている「硬さ」とは「あるものでひっかいたときの傷のつきにくさ」であり、「叩いて壊れるかどうか」の堅牢さではない。そのため、ダイヤモンドは最も硬いといわれるがハンマーで叩くことによって砕けることもある。また、これらの硬度は相対的なものであるため、モース硬度4.5と示されている2つの鉱物があったとしても、それらは同じ硬度とは限らない。蛍石で引っかくと傷がつかず、燐灰石で引っかくと傷つくということを示すのみである。数値間の硬度の変化は比例せず、硬度1と2の間、9と10の間の硬度の差が大きいことも特徴的である。
一見すると不便な見分け方のようでもあるが、実験室のような分析装置のない野外においては、鉱物を同定するために役立つ簡便で安価な方法である。
目次 |
[編集] 標準物質
硬さを計る試料物質で標準物質をこすり、ひっかき傷の有無で硬さを測定する。現実に存在する物質(人工物、天然物)の中で、モース硬度として最も硬いものはダイヤモンドである。
[編集] 修正モース硬度
修正モース硬度として、15段階に修正されたものが使われる。
- 1 (1):滑石
- 2 (2):石膏
- 3 (3):方解石
- 4 (4):蛍石
- 5 (5):燐灰石
- 6 (6):正長石
- 7 (-):溶融石英
- 8 (7):水晶
- 9 (8):黄玉(トパーズ)
- 10 (-):柘榴石
- 11 (-):溶融ジルコニア
- 12 (9):溶融アルミナ[2100]
- 13 (-):炭化ケイ素 [2500]
- 14 (-):炭化ホウ素 [2750]
- 15 (10):ダイヤモンド[9000]
( ) 内が旧モース硬度 [ ] 内はヌープ硬度である。
[編集] モース硬度の覚え方
- 滑石は方にして蛍燐は正水なり。黄鋼金(かっせきはほうにしてけいりんはせいすいなり。おうこうきん)
- 漢文風に覚えると楽である。
[編集] 関連項目
[要出典]
- キン肉マン-超人の防御力を表す超人硬度としてモース硬度をアレンジしている
カテゴリ: 出典を必要とする記事 | 鉱物学