ユニバーサル造船
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ユニバーサル造船株式会社(ゆにばーさるぞうせん、Universal Shipbuilding Corporation)は、日本の造船大手企業。2002年(平成14年)10月1日に日本鋼管(現・JFEエンジニアリング)と日立造船の船舶・海洋部門が統合し誕生した。JFEエンジニアリングと日立造船が50%ずつを出資する資本構成となっている。
本社は神奈川県川崎市幸区大宮町1310番地で、技術研究所は三重県津市にある。
2005年度の売上高は1397億円(2004年度は1471億円)で、造船事業の売上規模では今治造船、三菱重工業、三井造船に次いで国内4位。生産・受注は好調だが、船価の値上げが遅れる一方、厚鋼板など原材料価格が高騰しており、収益の改善は07年度以降と見込まれる。
2006年11月11日には日本経済新聞が「日立造船、JFEへユニバーサル造船株の売却を検討」と報じたが、同日に日立造船は「本件について、現時点で申しあげるべき事実はございません」とコメントしている。
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[編集] 事業所
- 舞鶴事業所 (京都府舞鶴市) 大日本帝国海軍・舞鶴海軍工廠を起源とする。旧・日立造船
- 京浜事業所 (神奈川県横浜市) 旧・日本鋼管
- 因島事業所 (広島県尾道市) 旧・日立造船
- 有明事業所 (熊本県玉名郡長洲町) 旧・日立造船
- 津事業所 (三重県津市) 旧・日本鋼管
[編集] 造船メーカーとしての特色
商船・海洋事業本部と艦船・特機事業本部の2事業部制。
商船事業は津と有明。艦船製造・改修対応は京浜と舞鶴、また艦船改修を中心とする因島と機能分担されている。研究開発は津の技術研究所に集約され、生産自動化設備の研究については有明事業所を中心に展開している。
商船分野においてはVLCC(大型原油タンカー)やスエズマックス型タンカー、アフラマックス型タンカーの世界有数のメーカー。ケープサイズのバルクキャリアでも世界トップシェアクラス。
艦船・官公庁船分野では、ユニバーサル造船のみ建造可能な掃海艇(掃海艇は日立造船、NKKのみが建造可能だったが、事業統合で結果的にユニバーサルの独壇場となった)など幅広い事業分野に対応している。
事業所数5は国内最多。04年度の造船建造量は国内トップで、世界でも4位だった。
[編集] 沿革
- 2002年 4月 ユニバーサル造船 会社登記
- 10月 日立造船、NKKより船舶部門が譲渡され、正式に営業開始。
[編集] 関連項目
- 日本鋼管(現・JFEエンジニアリング)
- 日立造船