ランベルト-ベールの法則
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ランベルト・ベールの法則(Lambert-Beer law 英語ではBeer-Lambert law 又はBeer-Lambert-Bouguer law 又は単にBeer's lawと呼ばれる物も同じ意味)は光の物質による吸収を定式化した法則である。
媒質に入射する前の光の放射照度をI0が媒質中を距離L移動したときの光の強度をIとしたとき
ここでαは吸収係数、εはモル吸光係数と呼ばれる。cは媒質のモル濃度。
[編集] 物理的な意味
光の吸収とは、量子論的に考えれば、分子や原子が光のエネルギーを用いてエネルギーの低い固有状態からエネルギーの高い固有状態に遷移することにより起こる現象である。 今、二つの固有状態(a,b、エネルギーはそれぞれEa,EbでありEa < Ebとする)のみをもつ分子を考える、それぞれの状態に単位体積あたりNa,Nb個の分子が存在すると考えると、この系に光が入射したとき、Nbの時間変化は媒質中の分光放射照度ρ = I / c,(cは光速)を用いて
とあらわされる。ここでの単位は(光エネルギー/体積 時間であり)それぞれアインシュタイン係数を示す。これらは遷移ごとに決まる定数であり
と仮定すれば
となる。またρは放射束(フラックス)Fを用いればρ = hνF / cとかけるので
ここでσの単位は面積であり、吸収断面積と呼ばれ、物理的にはあるフラックスの光が分子に吸収される有効的な面積をしめす。つまり、微小距離dxを仮定したときに、dxを移動した後のフラックスの変化(単位面積あたりに吸収される光子の数)は
- dF = − σF(Na − Nb)dx
と現せる。上の式の積分、光が媒質をとおる長さLで積分すれば
フラックスFは放射照度Iを用いてF = cρ / hν = I / hνより、
とかける、これは前文で書いた式と等価である。