リディム
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リディム(Riddim)とは、ドラムと特徴的なベースラインで演奏されるリズムの基本形。この方言、またはジャマイカ英語の言葉は、英語の「リズム」が変化した言葉である。リディムという言葉が用いられるのは、レゲエ、ラバーズ・ロック、ダブ、ラガマフィン、ダンスホール・レゲエなどである。極稀に、ビーニー・マンが作った「ブックシェルフ・リディム」を用いたアイビー・クイーンとサーシャの「ダット・セクシー・ボディ」のように、レゲトンでもリディムが用いられることがある。他の音楽ジャンルでは、リディムは、グルーブやビートと呼ばれている。現在では、リディムと言った場合、その曲のトラックやリズム・セクションの全体を指すことが多い。メロディーも、リディムに関連する言葉である。また、同一のリディムで2つの異なる曲を作ることもある(エレファントマンの曲の中には、同じKopaリディムを使った「エル・メロディ」と「ファーザー・エレファント」の2曲がある)。
[編集] リディムの3類型
リディムは、3つのカテゴリーに分類することができる。最も古いタイプのリディムは、ルーツ・レゲエのダブやラバーズ・ロックの楽器演奏の音を使用するクラシカル・リディムである。2つ目のタイプは、ラガマフィンやダンスホール・レゲエのリズムに乗せたラガ・リディムである。そして3つの目のタイプは、デジタル・リディムである。デジタル・リディムと呼ばれるものは、ジャマイカのプロデューサーたちが、レゲエ音楽の製作にドラムマシーンやシンセサイザーを投入した時期に作り出された。しかし現在では、すべてのダンスホール・レゲエやラガマフィンのリディムも、電子楽器を使用して製作されており、本質的には、すべてのリディムがデジタルである。
[編集] プロデューサー
様々なプロデューサーたちが、同じリディムのオリジナル版を製作したり、様々なアーティストたちが、同一のリディムに、歌からラップまで含め、様々な韻詞や歌詞を乗せてパフォーマンスを行ったりしている。例えば、ビーニー・マンの「マイ・ウイッシュ」、Mr.ベガスの「ゴー・アップ」、T.O.K.の「マン・ア・バッド・マン」は、すべてジュース・リディムに乗せた曲である。殆どのリディムは、最初にそのリディムに乗せて歌われた曲の名前が冠されている(最も売れた曲の名前が付けられているときもある)。