ルジャンドル変換
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ルジャンドル変換(るじゃんどるへんかん)とは、関数の引数を変えるために用いられる変換。解析力学や熱力学などで用いられる。
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[編集] 定義と証明
ある関数があったときに、引数
をyに変換することを考える。このとき、
と定義する。 このとき、Fの微分dFを考えると、
である。ここで新しい関数G = F − xiyを定義する。すると、この微分は、
であるから、Gの引数ではxiからyに変わっていることが分かる。
[編集] 応用例
[編集] 解析力学
解析力学では、ラグランジアンLをハミルトニアンHに変換する際に、ルジャンドル変換が用いられる。 座標をqとしたときに正準運動量をとして、
で定義する。これによって、からH(q,p)になる。
[編集] 熱力学
熱力学では、内部エネルギーU(S,V,N)をエンタルピーH(S,p,N)、ヘルムホルツの自由エネルギーF(T,V,N)に、またそれらからギブスの自由エネルギーG(T,p,N)に変換する際にルジャンドル変換が用いられる。
- H = U + pV
- F = U − TS
- G = U + pV − TS