レゲエパンチ
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レゲエパンチ (Reggae Punch)は、宮城県仙台市発祥とされるカクテル。「レゲ・パン」と省略して呼ばれることもある。
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[編集] 作り方
ピーチリキュール (クレーム・ド・ペシェなど) を適量の烏龍茶で割り、レモンスライスを添えてつくる。烏龍茶の苦味の部分がピーチリキュールによってほとんど相殺され、フレーバーティー(紅茶)のような味になり、ウーロン・ハイよりも飲み易い。
家庭で簡単に作れる「偽レゲ・パン」、「レゲ・パン類」とも言われる 「レゲエ・パンチ」 と似た飲み物もある。これは、味のない焼酎・ジンなどをベースにして、烏龍茶で割り、ピーチ・梨・リンゴなどのサラッとした果物ジュースを少量加えたもので、学生たちが店以外で飲み会をする時に、「レゲエ・パンチ」の代用として飲んでいる。
[編集] 歴史
1990年代初頭、仙台市の歓楽街「国分町」のショットバー「サウサリートカフェ (Sausalito Cafe) 」のバーテンダー・黒澤亮一が、酒の苦手な常連の女性客のためにつくったのが最初とされている。この女性客が、当時流行していたレゲエミュージックのファンだったため、「レゲエパンチ」と命名された。その飲み口の良さや簡便な製法がうけ、国分町の飲食店の間に広まった。
若者の間に爆発的に広がったのは、1990年代後半の(ダンス)クラブブームの時で、踊ってのどが渇いたところでバーで頼む飲み物として市民権を得た。すなわち、汗をかいたからといって安易にビールを飲むと腹が張ってだぶついてしまい、一晩中踊るような時には都合が悪いが、レゲエパンチならそのようなことはなかったからである。このような背景もあって、地元仙台では、短期間のうちに非常に知名度の高い飲み物となった。
2000年代になり、合同酒精株式会社(当時。現在はオエノングループ)から、瓶入りのもの(レゲエパンチ レモン)が宮城県限定で発売され、コンビニなどで買うことができるようになった。近年は、全国発売されている。
現在では、仙台の飲食店における一般的なメニューとなっており、メニューに載っておらずとも大抵は頼めば作ってもらうことができる。中にはわざわざ「裏メニュー」にしている店も見られる。
[編集] レゲエパンチの別名
このカクテルは各地に急速に広まったが、烏龍茶から連想される中国のイメージでローカルな独自名称が付いているケースが多い。北海道では「クーニャン」、関西では「上海ピーチ」という名前で認知されている。その他の地域では「ウーロン・ピーチ」、「ピーチ・ウーロン」、「ピーロン」などと呼ばれている。
関東では、「ピンク・ドラゴン」という名称でレゲエ・パンチと同様のカクテルを出している店がある一方、ストロベリー味のオリジナルのカクテルとして出している店もあり、すべての「ピンク・ドラゴン」がすなわち「レゲエ・パンチ」と同一というわけではない。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- オエノングループ (瓶入りの「レゲエパンチ」を発売している)