ロプノール
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ロプノール(羅布泊:Lop Nur, ロプ湖)は、中華人民共和国新疆維吾爾自治区の南東部にある「彷徨える湖」として有名な塩湖。水深が浅く、絶えずその姿を変えることからこう呼ばれて来た。この湖にはタリム川(塔里木河)が流れ込むが、湖から流れ出る川はなく、その湖水は強い陽射しで蒸発するか地中に消えてしまう。
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[編集] 概要
ロプノールはタリム盆地のタクラマカン砂漠の東のはずれにあった。約200万年以上前に形成されたと考えられている。1959年頃まで存在していたと思われるが、1972年にはすでに消滅していた。現在は干上がり湖面は存在していない。この地域の乾燥化が進んだことやタリム川上流にダムが建設されたことなどが消滅の一因と考えられている。
[編集] 歴史
この地は、中国で古来から西域と呼ばれていた地域で、シルクロードの途中に位置し、漢の時代にはロプノール西岸に都市国家楼蘭が栄えた。しかし、3世紀頃からロプノール一帯の乾燥化がはじまったとみられ、4世紀頃に楼蘭は急速に衰退した。ロプノールに流れ込む河の流れが変わったため湖が干上がったという説もあるが、定かではない。シルクロードも、タクラマカン砂漠の南側を通る西域南道の往来が困難になり、唐代までには敦煌から北に上がって天山山脈の南側を通る西域北道へとルートの中心が移った。
13世紀のベネチア商人で中国を旅行したマルコ・ポーロは、この湖の近くを通過した。
20世紀初頭、探検家ニコラス・ミハイロヴィッチ・プルエバルスキーとスウェン・ヘディンは、この辺りを訪問している。1900年にヘディンは楼蘭を発見した。
[編集] 核実験場
東トルキスタン地域が中華人民共和国の支配地域となった現代では、情勢が一変することとなった。
1964年以来、ロプノール周辺地域は核実験場として使われ、1996年までに核実験が45回に渡り実施された。大気圏内核実験はロプノールの北西約100km、地下核実験はロプノールの北西約220kmの地域で行なわれた(ロプノールの湖床が実験場となったことはない)[1]。2006年現在はロプノールの湖心を訪れるツアーなども組まれており、湖の中心には多くの旅行者や探検家によって湖心到達を記念する碑が建てられている[2]。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 中国における湖沼研究(2) 消える湖 (滋賀県琵琶湖研究所) - 1959年の湖面をたたえるロプノールの写真など。