ワイバーン
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ワイバーン (wyvernまたはwivern) は、架空の生物の一種。名はマムシを意味するViperからの派生として考えられている。翼を持つドラゴンの中で二本足のもの。飛龍と訳される場合もある。ワイヴァーン、ワイヴァンとも。
ワイバーンのバリエーションとして、体の後ろ半分が魚になった足のないシーワイバーン(sea-wyvern、海飛竜)や、翼のないリントヴルム(Lindworm)もある。
中世の紋章の図柄としてよく登場するワイバーンは、もともと紋章学より誕生した架空生物である。当時、ドラゴンの紋章は王室の紋章であったため、ドラゴンに代わるものとして誕生した。ワイバーンの逸話や神話が無いのはこのためである。
紋章学上でのワイバーンの図像は「強い敵意」を表わし、戦争時や軍隊を誇示する必要のある時に使用される。征服や厄病をも意味する。
[編集] フィクションにおけるワイバーン
特定の神話・伝承をもたないワイバーンだが、ファンタジーゲームなどのフィクションの世界では、しばしばドラゴンの亜種、あるいは「ドラゴンに似るが及ばぬモンスター」としての位置付けをされるようである。
ファンタジーの世界観を構築する際に、ワイバーンはしばしば特殊な設定が与えられる。例えば、著名なテーブルトークRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ』においては、ワイバーンは尾に毒があって刺すものと設定されている。
ファンタジーゲームの多くでは「前足を持たないドラゴン」という形態とされる。爪や牙を使って空から獲物に襲いかかるが、ドラゴンのように炎や氷のブレスを吐くことはない。(『モンスターハンター』など、ブレスを吐くワイバーンが登場するゲームもある)通常はヘビのような尾を持つが、この点もドラゴンと異なる。体躯はドラゴンよりも小さいとされる。
なおゲームによっては、ワイバーンのように身体の一部が欠けたドラゴンの変種としてワーム(ワイアーム)が登場していることもある。