ワーム (釣り)
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ワームとは疑似餌の一種。軟らかいプラスチックなどの素材で、釣りの対象となる魚のエサに似せて作ってある物の総称。
[編集] 利用法
素材が柔らかいことから、硬いプラグ類(ハードルアー)との反対語としてソフトルアーと総称されることが多い。 魚食性の魚を釣るのに効果が絶大とされる。魚がハードルアーより違和感を感じないため、スレた(ルアーに慣れてしまっている)状態には良いとされる。 形は様々に作られており、ミミズを始めとして、小さな魚やザリガニ、釣りの対象魚が海水魚であった場合にはイカ型まである。ハードルアーに比べて魚の食いつき方に違いがあるためにあたりがとりにくいと言われている。 水面付近から水底まで、重りやしかけを替えることで様々な水域で活躍するオールラウンドなルアー。
[編集] 環境問題
近年、釣り場の環境破壊の原因として批判の対象となることが多い。ハードルアーに比べて単価が安価であるため、粗雑に扱われ易く、加えて軟らかいため使用中にちぎれたり、魚が飲み込んでしまったり、劣化した物をその場に捨てていく釣り人もいるために、水中や釣り場付近に残留する量が多く、特に混雑する釣り場においては、残留するワームの総量がかなり大量になる。 ルアー愛好家のマナーの悪さの例として引き合いに出されるのは、たいていの場合このワームに起因する問題であることが多い。
ワームの素材は、主にPVC(ポリ塩化ビニル)にある種の可塑剤を使用してゼリーのように柔らかく成型をしてるが、この可塑剤が環境ホルモンとして生息する魚類その他生物に悪影響を与えるかもしれないことが問題となっている。
現在は上記問題をクリアした可塑剤を使用した製品や生分解性プラスチックの製品に移行しつつあるが、釣り場に残留する問題は解決しておらず、河口湖や芦ノ湖のように、ワームの使用禁止をうたう釣り場も増えているのみならず、釣り禁止にされてしまう釣り場まである。 主な釣りの対象魚であるブラックバスの害魚問題とも並行して、ルアーフィッシングに起因する問題として現在各所で討論が続いている。