ヴィルトの法則
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ヴィルトの法則は、1995年、ニクラウス・ヴィルトが広めた情報工学に関する法則。2種類の微妙に異なるバージョンがあり、どちらが本来の形なのか定かではない。法則自体は次のようなものである。
または、
- ソフトウェアは、ハードウェアの加速よりも急速に減速していく。
ハードウェアが時と共に高速化しているのは明白であり、その進化の一部はムーアの法則に従っている。ヴィルトの法則はハードウェアの高速化が必ずしも十分ではないことを意味している。プログラムは時と共に巨大化・複雑化する傾向があり、プログラマは時として、ムーアの法則によってハードウェアが高速化するのだから、性能の悪いコードを書いても問題ないだろうと考えることがある。
ヴィルトの法則に従う例として、最近のパーソナルコンピュータのオペレーティングシステムのブートがある。5年前や10年前のパソコンのブートにかかった時間より確実に時間がかかるようになっているのである。
[編集] 参考文献
- The School of Niklaus Wirth: The Art of Simplicity by László Böszörményi, Jürg Gutknecht, and Gustav Pomberger (Editors), Morgan Kaufmann Publishers, 2000, ISBN 1-55860-723-4.