三菱・デリカスペースギア
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デリカ・スペースギア(DELICA SPACE GEAR)は、かつて三菱自動車工業が製造・販売していたミニバン型の自動車である。通称はスペースギア。
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[編集] 歴史
[編集] 1994年~2007年
- 1994年5月12日 - デリカスターワゴンの後継として発売。(ただし、スターワゴンは、1999年まで販売)スペースギアとボディを共有するデリカカーゴも同時発売。
- 1997年6月21日 - マイナーチェンジ。
- フェイスリフトを受ける。4WD車では特徴的なグリルガード風のアクセサリーがなくなり、フォグランプの装着位置が変わった。
- 2007年1月31日 - フルモデルチェンジを実施。後継は、デリカD:5。モデルライフも12年8ヶ月と今日の国産車では長かった。
[編集] グレード
[編集] 選択肢
- 大別すると次の項目の組み合わせで構成される。
- 屋根の形状
- 低い「エアロルーフ」
- 高い「ハイルーフ」(ロングボディはハイルーフ系のみ)
- サンルーフの有無
- エアロルーフ系は前と中央のサンルーフが開く「ツインサンルーフ」(現在はメーカーオプション)
- ハイルーフ系は前のサンルーフと屋根の肩部がガラスになっている「クリスタルライトルーフ」
- 座席定員
- 7人乗り(2+2+3):2列目は1人毎に独立した座席で、前後スライドと回転ができる。3列目を左右に跳ね上げ、2列目をたたんで前へ収めれば広い荷物室になる。
- 8人乗り(2+3+3):2列目は2人分のベンチシート+1人分の折り畳み座席で、2列目と3列目を倒せばフルフラットになる。
- 屋根の形状
- かつてはエンジンや駆動方式、ボディの長さによって更に多数のバリエーションが存在した。
- 駆動方式:スーパーセレクト4WDと2WD(FR)
- ガソリンエンジン:現在は6G72型(V型6気筒3000cc)のみ、かつては4G64型(直列4気筒2400cc)も存在した。
- ディーゼルエンジン:4WD用の4M40型(2800cc)と2WD用の4D56型(2500cc) - いずれも直列4気筒、インタークーラー・ターボチャージャー付き。ボンネットにインタークーラーの空気取り入れ口がある車がディーゼル車。
- ボディ長さ:ノーマル4.6m(ホイールベース2.8m)、ロング5m(ホイールベース3m)
- 現在はショートボディのガソリン4WDのみに整理された。なお4WDのハイルーフ車とクリスタルライトルーフ車は車高が2mを超えるためディーゼル車でも3ナンバーだった。
[編集] 2005年11月からのグレード
- CHAMONIX(シャモニー)
- Active Field Edition(アクティブフィールドエディション)
- Active Field Edition SE
[編集] 2005年10月以前に存在したグレード
- ROYAL EXCEED(ロイヤルエクシード)
- SUPER EXCEED(スーパーエクシード)
- ショートボディ・ロングボディ双方に設定された上級グレード。クリスタルライトルーフとアルミホイールが標準装備され、4WD車ではグリルガードがクロムメッキになっていた。ガソリンエンジンは2WDの標準ボディは4G64だが、2WDのロングボディと4WDでは6G72を搭載する。7人乗り。
- EXCEED(エクシード)
- 量販グレードの7人乗り。当初はEXCEED IIという名称で、他に8人乗りのEXCEED Iもあったが8人乗りはXRに移行。
- XR
- 量販グレードの8人乗り。特別仕様車のベースにもなった。
- XG/XE
- 廉価版グレードで8人乗り。マニュアルエアコンを装備する。XEは装備・外見ともほぼ商用バンであり右側にもスライドドアを備えていた。
- G
- 2WDロングボディにのみ設定された業務用グレード。エンジンは4D56のみ、リアサスペンションはデリカカーゴと共通の板ばね、座席は4列10人乗り。主に企業や学校の送迎バスや大型タクシー用。
[編集] 特装車・限定仕様車
- 2WDモデルが販売されていた頃は幼稚園バス仕様や冷凍車なども販売された。また10人乗り・Gをベースに後部座席をヘッドレスト付きリクライニングシートに変更したジャンボタクシー仕様の「ワゴンテン」も特装モデルとしてラインナップされていた。
- ヴィーナスという名称でエアロパーツを装着したモデルも販売された。フロントエアダム、フロント&リヤブリスターフェンダー、サイドエアダム、リヤアンダースポイラー、マフラーカッターを装着していた。
- ネストという名称で簡易キャンパー仕様のモデルも販売された。シート生地と同素材を使用した収納式2段ベッドを搭載。(就寝定員は大人2名と子供3名)2200kcal/hのカセットコンロ、給排水各10リットルのタンクを装備した流し台を搭載。すべての窓を覆うプライバシーカーテンとスライドドア、バックドアに防虫のために取り付けるモスキートネットセットを専用オプションとして設定していた。
- 常設グレードでかつては冬季限定車だったシャモニー(フランス・モンブラン山麓のスキーリゾート)に対応するように、夏期限定車に「ジャスパー」(Jasper:カナダ・アルバータ州のジャスパー国立公園に由来)が設定され、同様の限定車に「グリーンフィールド」もあった。
[編集] デリカシリーズ
[編集] デリカカーゴ(初代)
デリカスペースギアと併せて商用車モデルで貨物自動車(バン:1または4ナンバー)登録のデリカカーゴも登場した。スペースギアとボディを共用していた。1999年11月1日にフルモデルチェンジし、現在はマツダ・ボンゴブローニイのOEM車となっている。参考までに概要を紹介する。
[編集] 概要
- ボディ形状と駆動方式:2WDハイルーフ(ショート/ロング)、4WDエアロルーフ(ショート)
- エンジン:4D56ターボディーゼル(2WDには4G63搭載車もあった)
- 座席定員:2人(後部座席使用時は5人)
- サスペンション:前/トーションバー、後/板バネ
[編集] その他
[編集] 車名の由来
スペースギアは、英語の「車内空間の活用性に富んだ車」という意味。類似するネーミングでは同社が発売する一部のSUV・ステーションワゴンなどなどに設定されているスポーツギアがある。