三菱MC-20
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三菱MC-20(みつびしMC-20)とは、大日本帝国陸軍の新型人員輸送機開発の命令を受け、大日本帝国陸軍採用していた双発単葉・引込脚の近代的な重爆撃機である、九七式重爆撃機をベースに、エンジンと主翼の設計を流用し胴体を再設計して完成させた双発レシプロ旅客機である。同時期に作られた日本の輸送機の中でも一番性能がよかったといわれており、快速性能はダグラスDC-3よりも上であったという。
1940年(昭和15年)に完成したが、時は第二次世界大戦のさなかであり、太平洋戦争初期のパレンバン攻略作戦においては落下傘部隊の輸送を行うなど百式輸送機として正式採用されたほか、1945年には日本国際航空で生産された。また旅客機として大日本航空や満州航空においても運用され、軍民両タイプで終戦までに507機が生産された。この製造数は日本の輸送機のなかで最多である。また九七式重爆撃機の武装を取り外した上で大日本航空が払い下げを受けた機体にMC-21というものがあった。こちらは貨物輸送に使われたが、8席の乗客を収容できるようにした機体もあったという。
[編集] 機体性能
()はII型
- 運航乗員:4
- 乗客:11名
- 全長:16.10m
- 全幅:22.60m
- 全高:4.95m(4.86m)
- 翼面積:70.06m²
- 空虚重量:5,400kg
- 全備重量:8,300kg
- エンジン:2x九四式(ハ-102「瑞星」)
- 出力:890~1,040 hp
- 巡航速度:320km/h
- 航続距離:2,000km
- 最高到達高度:7,000m