三跪九叩頭の礼

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磕頭の礼。官吏に対して罪人が強制されているもの

三跪九叩頭の礼（さんききゅうこうとうのれい, 英:nine kowtows）とは、中国皇帝の前でとる臣下の礼の１つ。単に三跪九叩頭または三跪九叩と言われる場合もある。叩頭とは額を地面に打ち付けて行う礼である。写真は参考としての磕頭(カイトウ、頭をたれて、深く感謝を意味する場合にも使用される。）である。

「跪」の号令で跪き、

「一叩」の号令で手を地面につけ、額を地面に打ち付ける
「二叩」の号令で手を地面につけ、額を地面に打ち付ける
「三叩」の号令で手を地面につけ、額を地面に打ち付ける

これをさらに2回繰り返すので、合計9回、「手を地面につけ、額を地面に打ち付ける」こととなる。

紫禁城の前庭での国事祭礼で皇帝の前で臣下が一斉におこなった。また、琉球王朝や李氏朝鮮では、中国からの勅使に対しても三跪九叩頭の礼で迎えていた。

[編集] 琉球王朝の場合

琉球王朝は冊封使を迎えるために立派な門通称守礼門(写真下）をつくり、「守禮之邦」の扁額を掲げ、宮殿にて、この三跪九叩頭の礼をとっていた。「守禮之邦」の守禮とは中国皇帝に対する礼を意味し、邦とはちいさい国という意味である。

守礼門（上の綾門）

「通航一覧・琉球国部正編巻之二十三　琉球国部二十三、　唐国往来」では

国王并三司官以下諸官三跪九叩頭仕、勅使旅館江被相越候間、三司官以下諸官先相備罷通、龍亭彩亭旅館江居、三司官以下三跪九叩頭仕退去(出展重点領域研究「沖縄の歴史情報研究」 ]より）

[編集] 李氏朝鮮の場合

1636年清が中国で建国され、李氏朝鮮とは強い冊封を結んだ。清は李氏朝鮮に朝貢と明への出兵を求めたが、朝鮮王仁祖 (朝鮮王)は拒絶をしたので、皇帝愛新覚羅皇太極(以下皇太極）は直ちに兵をあげ、朝鮮軍は為すすべも無く45日で降伏。和議の条件の１つに大清皇帝功徳碑を建立させた。仁祖 (朝鮮王)はこの碑を建てた三田渡で、皇太極に対し受降壇で清の太祖に向かって三跪九叩頭の礼を行い許しを乞ったという。(丙子胡乱参照) 日本が作成したレリーフ(1913年)

また、アジア歴史資料センター^[1]によれば、迎恩門まで王は迎え、勅使等に三跪九叩頭の礼をとったという。

街を離る北行数丁迎恩門あり。支那より勅使の来るや国王みずから出て、これに迎うという。

このような礼儀もあって、李氏朝鮮も「東方禮儀之邦」^[2]と呼ばれるが、礼儀とは琉球と同じ意味である。

[編集] イギリスの場合

イギリスの外交官ジョージ・マカートニーは、乾隆帝に謁見した際に三跪九叩頭の礼を要求されるが、これを拒否してイギリス流の儀礼を押し通した。貿易改善交渉、条約締結は拒絶され帰国した。

[編集] 関連

[編集] 脚注

^ アジア歴史資料センター「レファレンスコード：B03030154800 『４．宮本大丞朝鮮理事始末四／１朝鮮理事日記／３（対韓政策関係雑纂／宮本大丞朝鮮理事始末第一巻）　17画像/45画像目。迎恩門については迎恩門を見られたい。
^ 韓国語では、「東方禮儀之國」と呼ばれる。中国語では「東方禮儀之邦」を使用する。