中西亮
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
中西 亮(なかにし あきら、1928年-1994年)は、中西印刷株式会社 第6代社長。1955年京都大学法学部卒業。京都で100年以上続く老舗印刷会社を経営する傍ら、世界の文字資料を収集したことで知られる。会社の経営者としては活版印刷の近代化に尽力し、モノタイプを電子的に駆動したワープロ入力活字出力システムを考案したことで著名。ただし、活版はその後DTPや平版印刷に駆逐されてしまったため、彼の試みは成功しなかった。
印刷会社の経営者という立場から文字の私的研究にのめりこみ、世界中をまわって文字資料収集につとめた。その収集文字資料コレクションは国立民族学博物館初代館長梅棹忠夫に高く評価され、死後、国立民族学博物館 に寄贈された。著書は多いが、英文で書かれた「Writing Systems of the World」はユニコードの策定の時にバイブルと言われたという。文字収集以外にもアマチュアアクアリストとしても著名で、特にさんごなどの無脊椎動物を閉鎖水槽内で飼育する研究で知られる。また、京都では年末恒例の素人歌舞伎にも出演するなど、いわゆる京都の旦那衆を地でいく存在だった。
物理学者の中西襄は弟、婦人運動家の中西豊子は妻、文筆家の中西秀彦は長男。