京商
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種類 | 株式会社 |
略称 | 京商 |
本社所在地 | 東京都千代田区平河町一丁目9番3号 |
設立 | 1963年10月10日 |
業種 | その他製品 |
事業内容 | ラジオコントロールモデル、ダイキャスト模型の製造・販売 |
資本金 | 5億2,116万円(2006年4月現在) |
従業員数 | 170名(2006年4月現在) |
外部リンク | www.kyosho.com/jpn/ |
京商(きょうしょう、京商株式会社)とは、ラジオコントロールモデルを中心とした模型メーカーである。世界的にKYOSHOのブランド名で活動している。本社の所在地は東京都千代田区平河町一丁目。事業本部は神奈川県厚木市船子。
ラジコンメーカーとしては老舗で、自動車、飛行機、ヘリコプター、ボートと幅広い種類のラジコンを販売している。また、精密なディテールを持つ高級ダイキャスト製ミニカーも販売している。
なお、無線操縦の呼称として一般化している「ラジコン」は増田屋コーポレーションの登録商標であるため、京商ではラジオコントロールモデル、R/C、RC(Radio Control)と呼ぶことが多い。ラジコンカーはR/Cカーと呼んでいる。
目次 |
[編集] 沿革
1963年10月 設立
1970年 ラジコン販売開始
1992年 ダイキャスト製ミニカー販売開始
[編集] R/Cカー
全長50cmを超える1/8サイズのエンジンカーから、手のひらサイズの本格ラジコン「ミニッツレーサー」まで幅広いラインナップがある。 ラジコンカーの動力はエンジンと電動モーターがあるが、京商はどちらも販売している。また、同社の製品を使用したレース(京商カップ、ミニッツカップ)を開催している。
ラジコンカーにはおもちゃとしてのラジコン(通称:トイラジコン)と趣味としてのラジコン(通称:ホビーラジコン)がある。京商が販売しているのは、ほとんどがホビー向けで、組み立て作業が必要であったり、コントロール装置を別途購入する必要がある。しかし、一部のモデルでは、こういった手間を省いた、レディセットというセットが用意されており、購入した日から走行可能である。
なお、エンジンカーと電動カーを区別する際にGP(Gas Powered)/EP(Electric Powered)と呼ぶことがある。
主な製品
- 1/8エンジンカー
- 1/10エンジンカー
- 1/10電動カー
- パームサイズ電動カー(ミニッツレーサー)
IFMAR主催の世界選手権における優勝実績
[編集] エンジンカー
販売中の主な製品
1/8オンロード
- エボルバシリーズ
1/8オフロード
- インファーノシリーズ
1/10オンロード
- ピュアテンシリーズ
[編集] 電動オンロードカー
過去の主な製品
1/12サイズ
- スーパースポーツ
- マッハスポーツ
- ソニックスポーツ
- レーザースポーツ
- ファントムEP-4WD
- プラズマ
- ファントムEXT
- アクシスEX
- インプレスR961
1/10サイズツーリング
- PureTen EPスパイダー
- PureTen EPスパイダーTF-2
- PureTen EPスパイダーTF-3
- PureTen EPスパイダーTF-4 Type-R
- KX-One
- PureTenα
販売中の主な製品
1/10サイズツーリング
- TF-5
- TF-5 スタリオン
[編集] 電動オフロードカー
80年代から1/10サイズ電動オフロードカー(バギー)のブームがあり、多くの機種をリリースしている。その中には製造終了後も根強い人気を持つものが多い。
代表機種
- 1978 - エレックピーナッツ
- 1979 - ラリースポーツ ルノーアルピーヌA 310
- 1982 - スコーピオン
- 1983 - トマホーク
- 1984 - プログレス4WDS
- 1985 - オプティマ
- 1987 - アルティマ
- 1989 - レーザー ZX
[編集] エレックピーナッツ
京商初の電動バギーである。エンジンカーとして発売されていたピーナッツバギーにモータをRRに搭載した後輪駆動バギー。 価格:9,800円(当時)
[編集] ラリースポーツ
RS540モータをリアに搭載する2WD電動オフロードカー。ボディはアルピーヌA310。 フロントサスペンションにダブルウィッシュボーン、リアサスペンションにセミトレーリングアームを採用する。アルミ製ラダーフレームとリア周りの設計はスコーピオンに引き継がれた。 価格:16,000円(当時)
[編集] スコーピオン
タミヤのバギーチャンプ発売以降、電動オフロードカーによるレースの人気が高まりつつあった。 この時期に京商から発表されたのが後輪駆動、2WDバギー「スコーピオン」である。当時、京商は1/8エンジンバギー「サーキット20」でレース活動をしており、「スコーピオン」は小型化した「サーキット20」と言える構成であった。フロントのダブルトレーリングアームサスペンション、リアのセミトレーリングサスペンション、アルミ製ラダーフレーム、リアマウントされたパワーソース(RS540Sモータ)、オイルダンパーとコイルスプリングなど当時の1/8レーシングバギーに似た設計であった。また、細身のボディーはバッテリーを縦置きにして実現していた。そして、ライバルに比べて非常に軽い車体重量が大きな戦闘力となった。全装備重量は1,680g。 発売当時のライバルはタミヤのバギーチャンプとaykの556Bであった。
発売と同時に、レースを席巻した。一時はスコーピオン以外はレースに勝てない状況が続き、販売面でも人気車種となった。 価格:17,800円(当時)
「トマホーク」は「スコーピオン」の脚回りを使用し、大幅なメカレイアウト変更をしたモデルである。樹脂製メカボックスからダブルデッキメカプレートに変更することで全装備重量は1,450gまで軽量化された。 価格:19,800円(当時)
派生機種に「ターボ・スコーピオン」がある。 価格:19,800円(当時)
[編集] プログレス系
「プログレス4WDS」は京商初の電動4WDオフロードレーサーであり、4輪操舵機能(4WS:4ホイール・ステアリング)も持つ「4WDS」である。モータをリアオーバーハングにマウントし、前輪はリアギヤボックスから伸びたチェーンで駆動する。このチェーンはオンロードレーサー「ファントムEP」にて実績のある方式で、フロントにはワンウェイを標準装備した。 リアサスペンションはダブルトレーリングアーム+左右独立オイルダンパー+コイルスプリングというオーソドックスな構造であるが、フロントサスペンションはダブルウィッシュボーンに左右共用のモノダンパー、スプリングはトーションバーという独特の設計であった。しかし、このフロントサスはアームが短くストロークが取れない上に、構造が複雑であった。
また、4WS機構は、後輪の操舵が前輪と逆位相のみで、舵角も大きくゆるいカーブを苦手とした。
モデル追加ごとに少しずつ進化をしたが“その性能を活かしきれていない遅い車”として有名になった。初めての4WDで高性能を追求したための、重量増と駆動ロスが一因と考えられる。
- プログレス4WDS(フロント・ワンウェイ仕様)
- ギャロップ4WDS(フロント・デフ仕様)
- ギャロップMKⅡ(フロント・ダンパーの左右独立化) ちなみに、「ギャロップMKⅡ 4WDS」ではなく、「4WDSオフロードレーサー・ギャロップMKⅡ」が正しい。
[編集] オプティマ系
オプティマ系は大成功を収めた4WDオフロードレーサーである。一部モデルを除き大変人気を博した。
以下は、発売された順である。
- オプティマ(チェーンドライブ採用の4輪駆動バギー。アルミ製ハシゴ型シャーシ採用)
- ジャベリン(パイプフレームボディ採用。ダンパーステーなど一部のパーツをオプションパーツに変更)
- ゴールドオプティマ(オプティマ10万台販売達成を記念して1万台の限定生産のモデル、名前の由来は金属パーツに施されたゴールドアルマイト加工から。なお、この名称はあくまで通称である。)
- ターボオプティマ(8.4Vバッテリーに対応するため各部を強化したモデル。ル・マン240Sモーター標準装備。)
- サリュート(ターボオプティマのボディ違い。モーターを別売りとして低価格化。)
- オプティマプロ(アンプ(ESC)仕様モデル、チェーンドライブ最後のオプティマ。アンダーカウル付属。正式名称は、「オプティマ・プロ4WD」)
- オプティマミッド(以下のオプティマは全てベルトドライブモデル。モーターの配置を従来のリヤオーバーハングからミッドシップレイアウトに変更。シャーシはジュラルミンとFRPによるダブルデッキ構造)
- ターボオプティマミッド(オプティマミッドの上位モデル。オプションパーツが多数付属。)
- ターボオプティマミッドスペシャル(オプティマミッドのホイールベースを延長し、振り分けバッテリーに対応したカーボンファイバー製シャーシ採用。1店舗に4台限定入荷のオプティマ系最強モデル。アンダーカウル付属)
- オプティマミッドカスタム(ターボオプティマミッドスペシャルの廉価版。メインシャーシはジュラルミン製。アンダーカウル付属)
- オプティマミッドカスタムスペシャル(オプティマミッドカスタムの上位モデル。ほぼターボオプティマミッドスペシャルと同じだがシャーシはジュラルミン製。ボディはビュレットタイプ、アンダーカウル付属)
[編集] アルティマ系
トマホークに続く2WDレーシングバギー。ロングストロークの前後ダブルウィッシュボーンサスペンションやアルミモノコックシャーシを与えられ、性能は大幅に向上。87年にイギリスで開かれた第2回電動オフロード世界選手権2WDクラスを制した。
- アルティマ(オプティマの設計の流れを汲んだ2WDバギー)
- アルティマ・プロ(前期型:ジュラルミン製フラットパンシャーシ採用、パッケージのボディカラーはホワイト)
- アルティマ・プロ(後期型:ブラックFRP製フラットパンシャーシ採用、パッケージのボディカラーはブラック)
- トライアンフ
- プロX(前期型はボールデフが焼け付くトラブルがあったが後期型では解消されている。)
- アルティマRB(1999年世界選手権で登場した。最新の設計思想から作られている。競技モデルのType-R、入門用のスポーツがあった。)
- アルティマRB Type-Rエボリューション(現在最新型のモデル。アルティマRB Type-Rにオプションパーツを組み込んでいる。)
[編集] レーザー系
オプティマシリーズの発展モデルである『レーザーZX』から始まるシリーズ。 『レーザーZX-R』『レーザーZXスポーツ』『レーザーZX-RR』『レーザーZX-S』『レーザーZX-Sエボリューション』まで発展した。
レーザーZXは当時ボディデザインが不評で京商ワークスをはじめ多くのユーザーがターボオプティマミッドスペシャルの物を流用した。
なお、現行車種の『レーザーZX-5』は名前こそレーザーではあるが基本的に別の車種といってよい。
[編集] 復刻再販は有るのか?
未だ根強い人気の有る『オプティマ』系は現在では絶版モデルのため入手は難しく定価以上となってしまうことも多々ある。そのため再販を望む声もまた強い。
ライバル・メーカーであるタミヤは、既に『マイティフロッグ』・『グラスホッパー』・『ホーネット』等当時の人気車種を復刻再販した。
しかし京商は古い金型のほとんどを廃棄処分してしまっているため、再販するためには再び金型から作り起こさなければならないためタミヤのように容易ではないと考えられる。
2005年末に再販の噂がネット上で出回ったが、2007年1月時点でメーカー側からの公式なアナウンスは一切なくあくまで噂の域を出ない。
2006年5月の静岡ホビーショーにて「ミニチュアレーシングバギーシリーズ」が発表された。全長10cmほどのダイキャスト製プルバックモデルであるが、車種は「オプティマ」と「ターボスコーピオン」であった。パッケージデザインまで当時と同じであり再販人気を意識したものと考えられる。