仙術超攻殻ORION
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『仙術超攻殻ORION』(せんじゅつちょうこうかくおりおん)は士郎正宗の作に拠る1990年に『コミックガイア』に連載された漫画である。1991年に単行本が発売されている。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] 概要
大銀河帝国ヤマタ人民帝国で盗み出された国家機密「九頭炉」の式。これはすべての人民の邪念を封印してしまうシステムであったが、その構造には大きな欠陥が隠されており、大惨事を引き起こすことが考えられた。この式の発動を阻止しようとフゼン、神スサノオ、そして発動しようとするセスカ、蛇目博士の戦いが繰り広げられる。
日本神話、クトゥルー神話、量子力学が織り交ぜられた独特の世界でコミカルに展開される物語である。同作品は「士郎正宗作品としては」というより、当時の漫画作品としても、かなり異色の存在である。
仮想的な「仙術」テクノロジーを基盤として発展した「帝国」を舞台に、作者お得意の過激な美少女が活躍すると云うこの作品であるが、この「仙術」テクノロジーの描写は、後の『攻殻機動隊』の描写のみならず、他の作家による多くの漫画作品などに影響を与えたと思われる。
日本神話やクトゥルー神話などをベースにした設定やネーミング、「仮学(科学)」「角兵器(核兵器)」「設定韻具(セッティング)」など独自の言葉遊びが随所に見られる。
[編集] 世界設定
物語の舞台は惑星「瑠璃家水天」にあるヤマタ人民帝国。ヤマタ人民帝国においてはインフラが「龍法」で制御されている。龍法とは念を用いて自然界に存在する力のバランス(龍力(ろんり)と呼ばれる。ただし、龍力には原理の解説や応用の理論体系という意味もある)に働きかけ、その構成を組み替えたり、保存する技術であり、これを用いることで術者は意思にしたがって物理をある程度操作できるとされている。この世界において龍法は仮学と合わせて龍法文明の基礎的な技術となっている。さらに龍法には二つの流派が存在し、天体の運行や惑星の力を集合させる天台龍法、そして大地の龍力を集合させる金剛龍法の二派である。
[編集] 登場人物
- スサノオ:フゼン道人に召還された破壊神。
- セスカ:フゼン道人の娘。九頭炉の魔法陣を転写され、第九魔素の虜になってしまう。
- フゼン道人:仙術「天台龍法」の大法師。九頭炉の魔法陣の欠陥を見抜き、発動阻止のためスサノオを召還する。
- 蛇目(ヘビメ)博士:仙術「金剛龍法」の大家。フゼンのライバルで九頭炉計画の中心人物。
- ロネル中佐:セスカの思い人。単行本化の際に追加されたキャラで、セスカの行動の動機がより明確になっている。
- クシナタ姫:高位の神族の姫。九頭炉発動の贄となる。
[編集] あらすじ
惑星をまたにかけて発展していた銀河帝国、ヤマタ人民帝国はその国民の無制限の諸悪強欲によって、危機的な状況に陥っていた。金剛龍法の専門化蛇目博士は「九頭炉」の式を展開してそこに邪業を封印してしまおうと計画したが、その式には深刻な構造上の欠陥があることに天台龍法のフゼン道人に気がつき、その法定式を盗み出し、自分の娘セスカの体に移植し、蛇目博士に奪還されないように逃がそうとする。しかしセスカは蛇目博士によるフゼン襲撃の騒動によって行方不明になってしまう。九頭炉の起動を阻止するためにフゼンと召還された神、スサノオは九頭炉の式の「贄」を探し出して式を封じ込めようと、帝国の操国殿へと向かうが、九頭炉を自らの出世のために利用しようと考えたセスカは帝王に取り入り、九頭炉を発動させてしまう。しかし九頭炉は邪業を吸収するだけでなく、国土までをも飲み込み、巨大化していく。この予想外の巨大化にセスカは大銀河帝国の女帝となることを考えるが、スサノオによって九頭炉は崩壊した。蛇目は仮学は人を救えないのかと問いかけ、スサノオは善功が人間の内部に満ちれば、より人は高度化して完成に近づくと言い残し、去っていった。しかし九頭炉は惑星に残っており、完全には消化されていなかった。九頭炉のすべてが解消し、すべての魂に春が来るのは56億7千万念後のことだという。
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