体外離脱
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体外離脱(たいがいりだつ)あるいは体外離脱体験(英:Out of Body Experience、略称OBEまたはOOBE)とは、自分の肉体から抜け出す感覚の体験のことである。
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[編集] 概説
国籍・文化圏にかかわらず、このような感覚は見られ、10人に1人程度は生涯に一度は経験はしているとも言われている。[1]
この現象は、人によっては何でもない平常時に起きることがある。人によっては、何かしら危険に遭遇した時、臨死体験をしている最中、あるいは向精神性の薬物を使っている時に起きる。また、ごく普通の睡眠中に起きる人もいれば、明晰夢の最中に起きる人、また、いわゆる「金縛り」が起きている時に経験する人もいる。
この体験内容のひとつの典型としては、自分が肉体の外に「浮かんで」いるという体験があり、また自分の物理的な肉体を外から見る体験もある。
人によっては、自分が望むことで体外離脱体験をし、人によっては"体外に引っぱり出される"感覚とともに体外離脱体験をする。また、突然、すでに体外に出ている状態の体外離脱体験をする人もいる。
体外離脱を経験する時間はさほど長くなく、分単位である。だが、体外離脱を体験する人の中には、主観的な感覚としては、客観的な経過時間よりもはるかに長い時間を過ごしている、ということを指摘する人もいる。
一部には訓練によって体外離脱体験を起こそうとする試みもなされている。この場合瞑想に近い方法がとられているようである。また、モンロー研究所では、バイノーラル・ビート(音のうなり)をヘッドフォンで聞かせることで体外離脱体験をさせるプログラムを設けている。これは、右耳と左耳でそれぞれ違う音を一度に聞くというものである。
[編集] 名称
この体験は昔から知られていることもあり、様々な名称で呼ばれている。Wikipediaの英語版には類義語が数十も挙げられている。日本語では、心霊主義の立場では「幽体離脱」とも表現されている。
[編集] 自然科学的アプローチ
- オルフ・ブランケの研究
- 2002年9月19日、雑誌「ネイチャー」にスイスジュネーブ大学病院およびローザンヌ大学病院の神経科医師オルフ・ブランケによる論文が掲載された。脳の「右角状回」を電気刺激することにより体外離脱体験が起きた、という内容のものである。これにより、体外離脱は脳の機能によるもの、という仮説も脚光をあびた。