倍完全数
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倍完全数(ばいかんぜんすう、英:multiply perfect number)は自然数で、その約数の和が元の数の整数倍になっているような数である。約数関数を使って定義すると σ(n) = kn (k:自然数)を満たす自然数nが倍完全数であり、これをk倍完全数という。このk=2の場合である2倍完全数は単に完全数とよぶ。なお、k=1の場合は σ(n) = n を満たすnが1のみであるため、1倍完全数は1のみである。例:120の約数の和はσ(120)=1+2+3+4+5+6+8+10+12+15+20+24+30+40+60+120=360=3×120 であり120の3倍となるので、120は3倍完全数である。
素数をpとすると、nがp倍完全数でかつpがnの約数でないならpnは(p-1)倍完全数となる。これを拡張して3倍完全数nが2で割り切れるが4で割り切れない場合(すなわちnが単偶数である場合)、n/2 は奇数の完全数となるがそのような数はいまだに見つかっていない。
[編集] k倍完全数表
以下にそれぞれのk倍完全数(k≦7)のうち最小の数をあげる。
k | 最小のk倍完全数 | 発見者, 年 |
---|---|---|
1 | 1 | - |
2 | 6 | - |
3 | 120 | - |
4 | 30240 | デカルト, 1638年 |
5 | 14182439040 | デカルト, 1638年 |
6 | 154345556085770649600 | RD Carmichael, 1907年 |
7 | 141310897947438348259849402738485523264343544818565120000 | TE Mason, 1911年 |
現在11倍完全数までの倍完全数が見つかっている。k倍完全数が無数にあるかどうかは分かっていないが、3倍完全数は6個、4倍完全数は36個、5倍完全数は65個、6倍完全数は245個がそれぞれ発見されており、それ以上は存在しないことが分かっている。